おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

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新選組始末記 第14話 6
第14話 「近藤江戸下り」6

沖田さんの仲裁のおかげで、土方さんも冷静さを取り戻したようで、
落ち着いた口調で、改めて山南さんに話を向けます。

「新選組隊士に公務を離れた暮らしがあって良いか悪いか、それはまたのことにしよう。
 ただ、確かに総司の言うとおり、留守を守る山南さんと俺がいがみ合ってばかりいても
 仕方がねえ。わかったよ。」

土方さんのこういうところが好きです。 気持ちの切り替えが早い。
ただ、山南さんはというと・・・多分、土方さんとは違う思いではなかったかと。

(土)「ところで、総長。こん中に長州の残党が逃げ込んだはずだ。」

(山)「長州の残党?そんなもん、いないよ。」
 
ほら、結局、こういうことなのですね、総長。
総長は、沖田さんの思いを全く理解していないということですよね。

(土)「隠すのか?」

(山)「疑うなら、さあ、中に入って調べてくれ。」 

自ら戸を開ける山南さん。

(土)「山南。」

(山)「嘘は言わんよ。さあ、調べてくれ。」 

いいえ、嘘ですよね。
なにか平然として嘘を言う山南さんが怖いです。

山南さんの顔をしばらく見つめ、二度ほど小さく頷く副長。

(土)「そこまで言うんなら、確かにここにゃいねえんだろう。よしっ!向こうを探す。続けっ。」

とその場を去ります。

あの小さな頷きには、どんな意味があったのでしょうか?
山南さんの言葉を心から信じたのかどうかはわかりません。
本来なら、強引に家の中を調べることはできたはず。
でも、それはしなかった。
土方さんは、ここでも山南さんを信じたかったのだと思います。
だから、彼の言葉を尊重した。

山南さんが長州の残党を匿う理由はないし、新選組総長である以上、
まさか、そこまではしないだろうという思いもあったでしょう。
いえ、もしかしたら、嘘とわかっていて、それでも他の隊士の手前、
総長の顔を立てたということも?

だけど・・・。
本当に調べられたら、山南さんはいったいどうするつもりだったのでしょうか?
それとも、土方さんもそこまではしないだろうと高を括っていたとか?
山南さんの気持ちが、やはり全くわかりません。

皆が去ったあと、最後に残った沖田さんに
さっき言われたばかりなのにまた若い君に心配をかけてしまった、と謝る山南さん。
「私は、そんな風に至らない男だ。」と自分を卑下します。
もしかしたら、山南さんも沖田さんにだけには自分の弱さを見せることができ、
本音を言えるのかもしれません。

その言葉に対し、

(沖)「そんなことはありません。でも・・・くれぐれも自重して下さい。
    生意気なことを言って申し訳ありませんでした。」

と釘を刺しつつ、自分の言動を謝り去りますが、
二人の板挟みで、心を痛めている沖田さんが可哀想です。

そんな沖田さんの背中を、山南さんはいったいどんな思いで見送ったのでしょうか?

沖田さんが去り、山南さんが家の中に戻ると、
赤羽という長州藩士は、既に逃げたあとでした。
それは当たり前ですよね。
たとえ、新選組の変わり種だと言われても、新選組総長のそんな言葉を
ほいそれと信じるわけがありません。

(山)「あの赤羽という人はどうした?」
 
(明)「裏から逃げはりました。お話には聞いていましたけど、あの土方はんという人、
    ほんまに怖い人どすなあ。」

明里さんが、そんな風に思うのも無理はないかもしれません。
でも、違うんですよ。
土方さんは、誰よりも新選組を第一に思っているだけなんです。

(山)「怖いというよりか、人間の心の痛みがわからない。いや、わかろうとしない。」

そんなあ・・・、山南さん。
いくらなんでもそれはあまりに酷い言い方では?
確かに土方さんには強引なところがありますが、それは新選組を思うあまりのことと
どうして、総長の立場である山南さんはわかってあげないのか?

これは、以前にも書きましたが、二人の新選組に対する思い入れの深さの違いが原因と思います。
山南さんが、新選組総長としての立場にもかかわらず、長州者を逃がした時点で
彼の新選組への思いは、本当に薄れてきているのでは?と感じました。

今回のことを考えても、山南さんには土方さんを理解しようという気持ちは、
もはや少しもないように思えてなりません。

土方さんがなぜ、家の中を強引に調べなかったのか?
それ以前に、噂になったこの家が、なぜ今まで追求されなかったのか?
それを考えれば、もう少し違う目で土方さんのことを見られるのではないかと
思うのですが・・・。
山南さんにそんな目線は、もうないのかもしれません。

ほんの少しでも山南さんに歩み寄ろうと考える土方さんに対し、
もう理解不能と完全に拒絶し始めた感の山南さん。
ここまで来てしまったら、もはや二人の間の溝は埋まらない気もします。

京都でこんなことが起こっているなどとは知らない局長は、今、鬼神矢の如く
冬の東海道を西へ急走、その後を追うように伊東甲子太郎一行も京へ旅立ち、
まもなく局長が戻れば、新たな新選組のステージが幕を開けることになります。
それにより、山南さんの運命もまた変わっていくことになるのです。

そして、エンディングナレーション。

  近藤勇の抱く一筋の将軍擁護の志と

  伊東甲子太郎の唱える尊皇攘夷は

  果たして、わだかまりなく結ばれるものであろうか?

  こうした間も、長州征伐は宙に浮いたまま

  新選組もまた焦燥のうちに年の暮れを迎えようとしていた・・・




こうして物語は、いよいよ山南さんのあの事件へと突入します。
この作品では、2回に渡って丁寧に描かれた山南さんのエピソード。
何度もお話していますように、私の中に土方歳三という人を永遠に刻みつけ、
その後の人生に大きな影響を与えたと言っても過言ではない2話となります。

何度観ても辛く、やるせない気持ちになるお話ですが、
この作品ではどう描かれているのかを少しでもご紹介出来たらと思います。
多少時間がかかるかもしれませんが、がんぱってUPするつもりですので、
お付き合いいただける方は、よろしくお願いします。

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