おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

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新選組始末記 第14話 3
第14話 「近藤江戸下り」3

先日、おすみさんの家で醜態を晒してしまった沖田さん。
八木さん夫妻から、おすみさんが他国へ行きたいと言っていると聞きます。
どんなことがあっても、この壬生村の近くにはいたくないと。
近藤先生が話をした後は、一時は気持ちもおさまってきていたが、
また気持ちが高ぶってきてしまたらしいとのこと。

せっかく近藤先生がお話をしてくれたのですが、どうやらその思いは
残念ながらおすみさんには届かなかったようです。

私らがどうにかするので、もう少し待って欲しいと言う八木夫妻に
こんなことまで心配をかけて申し訳ないと謝る沖田さん。
もう二度と、この間のような馬鹿な真似はしない、私に出来ることがあれば何でもすると
頭を下げるのでした。

と、そこに出かける様子の山南さんの姿。
八木夫妻に挨拶し、後を追う沖田さん。
屯所の門を出たところで声をかけます。

(沖)「山南さん。」

(山)「はぁ、総司くんか。」

(沖)「どちらへ?」

(山)「あっ、君たちの借りてくれた家に行くんだ。本を読みにね。」

えっ?君たちが借りてくれたって?それってどういう意味?
それが土方さんの言う、噂になっているという休息所なのでしょうか?
初めて聞きましたが、とにかく、そういう場所が山南さんにあるということは確かなようです。

(沖)「山南さん、あまり土方さんと争わないで下さい。
    今は、局長もいない時です。お願いします。」

(山)「その言葉、そのまま土方くんに向けてくれっ!」

いつにない強い口調で返し、厳しい表情で沖田さんを見る山南さん。
が、すぐに考え直したように
「あっ、いや、わかったよ。君に心配かけないためにもそうするよ。」と
穏やかな表情を見せて去るのでした。
こうところにも、山南さんの人柄、優しい性格が見えるような気もします。
土方さんにはない一面かなとも。                                                                                             
そして、山南さんがやってきたのは、朱雀村にある小さな一軒家。
そこにいたのは、明里さん。

ということは、やっぱりここは山南さんの休息所?

外を掃いている明里さんには目もくれず、「山南先生。」との呼びかけにも答えず、
無言で家に上がり、外に面する障子を閉める山南さん。

(明里)「嫌な先生。人が呼んでるのにぃ。」

(山) 「外では声を掛けるな。誰かに聞かれて、土方の耳にでも入ったら面倒だ。」

(明) 「すんまへん。けど、先生のお顔を見るとつい嬉しゅうて。」

(山) 「幹部の休息所な。必ず届けるようにと今日も土方に言われたんだ。
     しかし、俺は届けない。」                                                          
明里さんがいることからして、やはりここは、誰が見ても山南さんの休息所ですよね。 
なのに届けないって。山南さん、どうして?

(明) 「どうしてどす?恥ずかしいのどすかぁ?
     けど、ここは、沖田はんや永倉はん、原田はんがお金を出しおうて
     借りてくれはったんと違いますかぁ?
     うちを島原から引かしてくれはったんも沖田はんたちどっせ。」  

ええー、そうだったのですか? 
試衛館の仲間がお金を出し合って借りてくれた?
いえ、それ以前に島原から身請けするにも協力してくれたということなんですね。
驚きましたー。でも、局長と副長は知らないとうことなんですよね。
それはちょっとまずいのでは?大丈夫なのかな?
うううん、大丈夫じゃないですよね、絶対。

(山)「隊の休息所になるとね、屯所ではできない密談の場にも使われるんだ。
    私は嫌だ。ここは、お前と二人だけの巣だ。」

そうですか、だから秘密に。
山南さん、あなたの気持ちもわかります。 
でも、でも、山南さんは新選組の総長、ナンバー2の地位にいる大幹部です。
そのあなたが、自ら隊の決まりを破ってしまうというのは、やはりどうかと・・・。

ただ、それは、今の新選組のあり方、局長や特に土方さんのやり方に対する彼なりの
ささやかな反抗と受け取れるような気がしないでもありません。
やはり、山南さんの中で新選組に対する思いに何か変化が生じているような
そんな気がしてなりません。

肩を揉んでくれるという明里さんに当然のごとく背中を向ける山南さん。
すると明里さん、「嫌どす。」 と一言。

(山)「何がだ?」  と驚いたように振り向く山南さん。

(明)「後ろ向かはったら嫌どす。」  え?

(山)「前から揉めるのかぁ?なぜ私が後ろを向いちゃいけないんだ?」  確かに。

(明)「先生の後ろ姿を見ていると寂しおす。」   なんと!

(山)「はっ。」

(明)「うち、見ているだけで涙が出てきてしもうて・・・。
    そやさかい、こっち向いておくれやす。」        うーん、切ない。

そして、向かい合った形で肩を揉み始める明里さんですが、そのぎこちなさに
やっぱりやりにくいよと後ろからにしてもらう山南さんです。
確かに向かい合いでは、照れくささ100%だし、
第一、前からではちっとも気持ちよくないですよねぇ。
一見、微笑ましくもあるやりとり。
でもなぜか物悲しさを感じてしまう場面でもありました。

肩を揉みながら、先生がいなかったら生きてられないと言う明里さんに
私は、新選組でもうまくいかない人間だが、世の中にお前のような人間が
一人でもいてくれると嬉しいと話す山南さん。

(明)「先生は、いい人どすなあ。」

(山)「土方に言わせるとな、今のこの世の中で、いい人というのは、
    いてもいなくてもいい人のことを言うんだそうだ。あっはははは・・・。」

なんと、土方さん、そんなことを言ったのですか?(土方さんなら言いそうな気もしますが。
ですが、それを自嘲気味に話す山南さんが、なんだか悲しいです。

(明)「そんなあ、先生はうちには一日でもいてくれはりゃへんと困るお人どす。」

そして、山南さんにすがりつき、こうしてもらう時が一番嬉しい、いつまでもいつまでも
こうしていたいと気持ちを伝える明里さん。

(明)「先生。」

(山)「うん?」

(明)「死んだらやどっせ。ムチャもいけまへん。」

(山)「ふっ、なぜそんなことを言う?」                                                        
(明)「心配どす。先生はあんまりにも気が真っ直ぐやし、傷つきやすおすさかい。」 

女の勘というのでしょうか。
愛する人の危うさを敏感に感じ取り、不安に駆られている明里さん。
そんな彼女の気持ちは、その表情からも痛いほど伝わってきます。
山南さんにも、そんな女の気持ちをわかって欲しいなと思います。

ずっとこうしていたいという彼女の思いが叶いますようにと
私も神様にお願いしたい。
けれど、この時、彼女が抱いた漠然とした不安は、やがて現実となって
二人の身に降りかかってくることになってしまいます。
これから先を思うと・・・その時の明里さんの気持ちを思うと・・・
本当に切なく辛いです。



                                           次回へつづく・・・


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