おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

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新選組始末記 第14話 2
第14話 「近藤江戸下り」2

京都を出発した近藤局長一行が、早駕籠で急ぎに急いで、箱根の関所も乗り打ちし、
江戸に着いたのは、京を発ってわずか三日目でした。

考えてみると、昔の人たちの健脚といったら半端ないですねぇ。
人を乗せた駕籠を担ぎながら走って、京都から江戸までわずか3日で到着できるとは。
当然、いくつかの宿場で選手交代するのでしょうが、そうであっても凄すぎますよね。
便利になりすぎた現代では、到底考えられません。

さて、江戸に着いた局長一行の宿は、言うまでもなく試衛館。
その懐かしい試衛館で、彼らと酒を酌み交わしているのは、局長の兄弟子で
義兄弟の盃もかわしている佐藤彦五郎。
彼は、日野の名主で土方さんの義兄でもあり、新選組に経済的な援助等、
最後まで尽力してくれた人物で、新選組にとっては、恩人とも言えるお方です。

彦五郎さんの話によると、近藤局長の父である周斎と局長の妻子は、
今は日野の彼の家に移り、元気にしているとのこと。
明日にでも訪ねて行って下さいと言われた局長ですが、今度の出府は公用で、
明日からは老中巡りであり、用が済めばすぐに京に戻らねばならないので、
老父や妻子にも会えないと思うがよろしく、と逆にお願いするのでした。

おやまあ、近藤局長には妻子がいたのですね。
そうなのです、実はこの作品では、これまで近藤局長の家族は、全く出てこないので、
ここで初めて局長に妻子がいることがわかるのです。
でも、彦五郎さんの口からは周斎先生の奥さん、すなわち局長のお母さんの名は出ないので、
この作品では、おそらく彼女はいないことになっているのではないでしょうか。
(そういえば、某大河ドラマでは、周斎先生の奥さんが嫌というほど出てきましたよね。
 私はそれが本当に嫌でしょうがなかったのですけどね。

それにしても近藤さん、これは佐藤さんに対し、ちょっと虫がいい話のような気もしますね。
家族に会いに行くというより、お世話になっている佐藤家の人に挨拶しに行くくらいはすべきかと。
確かに今、そのご当主に会っているわけですから、ここで今後をお願いしておけばいいという
気持ちもわからないではないですが。
彦五郎さんがとってもいい人なので、つい甘えてしまうということでしょうか。
どうやら、彼ががいてくださるからこそ、局長は、家族のことは何も心配せずに
心置きなく京で働けると言えそうです。

とはいえ、やっぱり、せっかく江戸に戻ってきたのに妻子にも会わずに京に戻るとは、
奥さんと娘さんが可哀想。
江戸の試衛館から日野へ行くには時間がかかることは確かなので、
それも仕方ないのかな?とも思いますけど。
局長だって、辛いのかもしれません。

一方、和やかな雰囲気の江戸とは裏腹に、京都では、留守を守る総長と副長によって
またも大嵐が吹き荒れようとしていました。

屯所の一室で相対するは、山南総長と土方副長の二人。

(山南)「西本願寺を新選組の屯所にする?馬鹿なことを言わないでくれっ!」

(土方)「何が馬鹿なことだ。俺は本気だっ! 
     西本願寺を探索した結果、あの寺にはこっちから入り込まなけりゃ駄目だ
     ということがわかった。
     虎子を得るにはまず、虎穴に入らなねば駄目だとなっ!」

いよいよ出てきました。西本願寺屯所移転問題。
土方さんの探索の結果、こういう結論に達したというわけですね
そして、ここから、山南さんの運命が大きく変わってしまうと言っても過言ではありません。

(山) 「仏を祀る場は霊場だ。そんなところを屯所にしたら、大勢の信徒たちが迷惑をするっ!」

(土) 「長州はいいのか?長州の奴らは俺達とは違うのかっ!」
 
(山) 「とにかく私は反対だっ!」

(土) 「いくらあんたが反対しようと俺はあの寺を屯所にするっ!
     今日もかっこうの集会場所を見つけてきた。500人は十分に入る。
     庭も広いし、大砲の訓練もできる。」

(山) 「寺の境内で大砲の訓練だ?土方くん、君の頭はどうかしちまったんじゃないのか?」

(土) 「正気だよ。とにかく近藤さんが戻り次第、俺は屯所を西本願寺に移すことを提案するぞ。」

(山) 「君がいくら提案しても、私は絶対に賛成しないっ!」

(土) 「いいとも、近藤さんに裁断してもらおう。」

お互い激しく言い争ってきた二人ですが、土方さんのこの言葉に黙ってしまった山南さん。
しばらくの沈黙のあと、すっくと立ち上がり刀掛けにある刀を取って部屋を出ようとします。

なぜここで山南さんは、黙ってしまったのでしょうか?
それはたぶん、気づいたからだと思います。

近藤さんにこの裁断を託すということは、自分と土方さんの話し合いは決裂。
土方さんを説得することはできなかったということで、そうなれば、どんなに自分が反対したところで
近藤さんは、九分九厘土方さんを支持するだろうと。
そして、万が一、近藤さんが自分を支持したとしても、土方さんはきっと強行するだろうことを。

それは、焼け出された人々への支援を打ち切った時のことや、
遡って松原さんを降格させた時のいきさつを思い返えしてみても
わかるような気がしますから。

(土) 「何処へ行く?」

(山) 「何処へ行こうと勝手だ。私は総長だ。副長の君にいちいち指図は受けないっ!」

(土) 「総長さんよっ、休息所じゃねぇだろうなっ?」

(山) 「なに?」  驚いたような顔の山南さん。

じっと怖い目で山南さんを見つめたまま立ち上がる土方さん。

(土) 「幹部の休息所は、近藤さんはじめ全て届け出てもらってる。内緒は困るぜ。」

山南さん、土方さんの突然の問いに少し動揺しているような感じが。
えっ?まさか、山南さんが休息所を?しかも内緒で?

(山) 「私にそんなものはない。」   否定する山南さんですが・・・

(土) 「そんならいいんだ。しかし、ポツポツ妙な噂が立ち始めてる。」

(山) 「噂? どんな噂だっ?」

(土) 「覚えがねぇんなら気にすることはなかろう。剥きんなると疑われるぜ。」

うううー、土方さんもね、こんな意地悪な物言いはやめたらいいのにって思うんですけど。
ですが、ここでの土方さんは、山南さんの言葉を素直に信じている感もあるんです。
そのことは、後ほどわかるかと思います。

すごい勢いで部屋を出て行く山南さん。
一方、彼の去った後を睨みつけ、「何が総長だっ!」と苛立ちを口にする土方さんですが、
その姿に土方さんの辛い思いが見えたような気もしました。

ああ、なんでこうも意地の張り合いをしてしまうのでしょうね、この二人は。
局長が留守で、二人には協力して隊を纏めていかなければならないという
職務があるというのに。

それぞれが自分の主張を通そうとするばかりで、話し合いにならないため、
分かり合えるはずありません。
土方さんも本当は分かり合いたいと思っているくせに素直になれず、
ムキになり、挙句は悪態をついてしまうし、
これではいつまでたっても二人の関係は平行線のままです。

いつかわかりあえる時がくるといいのに、今はそう願わずにはいられません。
でも、その願いも虚しく、この後、山南さんの中にある変化が生じてきていると
思わざるを得ない出来事が起こってしまいます。
それはまた次回で。
                                                   つづく・・・



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