おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

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新選組始末記 第13話 8
第13話 「壬生の嵐」8

京都守護職から親書を賜った近藤局長は、その親書を持って江戸へ行くことを
そして、その留守中は、山南総長と土方副長が指揮を取る旨、隊士全員の前で伝え、
加えて将軍が京都に入れば、いよいよ大戦(おおいくさ)になる、京都にも何が起こるかわからない、
ますます隊務に精励せよと厳しい眼差しで隊士達を鼓舞します。

実はその局長の言葉が終わった後、またひとつ波乱が・・・。

(山南)「それでは、解散する。
     罹災者救援隊の諸君は、いつものように私と一緒に来てくれ。」

意気揚々の総長にすかさず待ったをかけたのは副長。

(土方)「ちょっと待てぇ。
     焼け出されの面倒見はもうおしまいだ。
     代わりに新しく西本願寺探索隊を編成する。」 

(山) 「土方君・・・君は。」     驚き顔の総長。
     
(土) 「あの寺は、長州の残党を匿っているという噂がもっぱらだ。
     また、壬生に近いので寺に潜んで新選組を探っているという噂もある。
     嘘か本当か確かめる。隊長は俺が直接務める。」 

(山) 「土方君、被災者達はどうなるんだ?
     今日も我々が来るのを首を長くして待っているんだ。」 

(土) 「そんな仕事は町奉行所にやらせろっ。
     市中も満足に取り締まれねぇような奉行所には打って付けだ。」

土方さんとの話では埒が明かないと思ったか、山南さんは近藤局長の前に歩み出ると
判断を仰ぎます。

(山) 「局長、ご採決を。」          

が、山南さんの顔を厳しい眼差しでじっと見ながら発した局長の一言は、

「土方の言が正しい。」 

その言葉だけを残して、立ち去る局長。
副長の解散だの言葉で、引き上げていく隊士達。
後には、一人呆然と立ちつくす山南さんの姿。
そして、その寂しげな背中を心配そうに見つめていたのは、
沖田さんともう一人、藤堂さんの二人でした。

この時の、山南さんの胸中はどんなものだったでしょう。
おそらく、局長は自分に賛同してくれると思ったと思うのです。
賞金を焼け出された人たちの為に出してくれた局長です。
救援活動をねぎらい、衣服や食べ物もできるだけ出してやれと言ってくれた局長です。
それが、手のひらを返したように今は拒否された。
かなりのショックだったに違いありません。

ただ、あの時は、確かにあの時点ではそれでよかった。
でも、ここに来て情勢が変わり、新選組として、組織として
今は、救援活動よりも優先してすべきことができたということなのだと思います。

近藤局長だって、被災者はどうなってもいいと思っているわけでは決してないでしょう。
けれど、新選組局長として、情勢を見極め、組織として今何を一番にすべきかを考えるのは
当然であり、臨機応変に対応していくことは長としての責務ですから、
状況に応じて対応を変えるのは当たり前のこと。
もし、それができなければ、組織は存続できなくなってしまいます。
だから、今回は土方さんを支持した。
ですが、おそらく、その思いは山南さんには伝わっていない。
それは、やはり新選組に対する考え方、思いの違いの所為だと思います。

でも、山南総長は、新選組をいったいどういう組織にしたいのでしょう?
総長として、どんな方向にもっていきたいのか?それがいまひとつ、わかりません。
今にも長州が攻めてくるかもしれないという状況下で、今、新選組が地域のボランティア活動に
精を出すことが本当に正しいことなのか?
そう考えると、心情的には山南さんを支持したい気持ちも大きいですが、
どうしても疑問符がついてしまいます。

部屋を出た山南さんに声をかけた沖田さん。

(沖)「山南さん。」

(山)「総司君か。」

(沖)「あまり気にしないほうがいいですよ。
    土方さんは、新選組を考えるあまり、つい言葉が強くなるんです。」

(山)「ふっ、そうかな。
    私は・・・、土方君とはもう折り合えない気がする。もとになる考え方のところでね。」

(沖)「山南さん。」

(山)「そうだ、愚痴に聞こえたら許してくれ。」

去っていく山南さんを見る沖田さんの本当に心配そうな表情。
でも、その漠然とした心配は、やがて現実のものとなって
沖田さんの身にも降りかかってくることになると思うと、辛くてなりません。

場面は変わって、部屋に戻ってきた近藤、土方の両名。
そして、土方さんはひとり、ものすごく苛立っているご様子。

(土)「山南のやろう、ちぇっ、どうしてあいつには俺の言うことがわからないんだっ!」

腕組みをし、黙って聞いている近藤さん。

(土)「近藤さん、今あんたに江戸に行かれることがだんだん心細くなってきたぜ。
    俺だけで、留守を守り通せるかどうか。」

またもでました、副長の弱気発言。
副長の口から、心細いなどという言葉が出るとは。
でも、土方さんだって色々悩み、苦しみながら新選組のことを支えてるんですよね。

(近)「守れるさ。嵐だ。嵐なんだよ、歳。」

(土)「ええ?」

(近)「新選組は今、内からも外からも吹き荒れる嵐の中にいるんだ。
    お前と山南の争いも、当然起きてくる嵐のひとつだ。

    それにな、新選組はいつも嵐の中を歩まなければならない。
    一難が去ってもまたすぐ次の一難が来る。これは避けられない。
    おそらくこれが新選組の運命だろう。

    だがな、歳。
    お前と俺が最後まで手を組んでこの嵐の中を突っ走れば、怖いものは何一つないっ!
    今度の嵐も必ず突き抜けられる。
    その為にも俺は、必ず将軍を江戸から連れて来る。」

(土)「近藤さん、よくわかった。」

局長の言葉に納得したような土方さん。
でも・・・

私も局長には江戸へ行って欲しくありません。
だって、だって、留守中の京都では大変なことが起こってしまうから。
それにこの江戸下りで、局長は伊東さんと出会い、京都に呼び寄せることになるのだから。
江戸へ行っていいことなんて何もないのに・・・。

けれど、新選組に吹く嵐が、これから更に激しさを増し、
まだまだ幾度も襲い掛かってくることになろうとは、
今はまだ誰も知る由もないことなのですよね。

堅い話から一転、思い出したように「ところで、総司のあの娘な、どうする?」と問う土方さんに
お孝さんが良い手を考えてくれた、女には男が持っていない知恵があると笑う局長。
反対に「お前もそろそろ休息所を設けたらどうだ?」と水を向けらられ、
「あ?ああ、ははは。」とあいまいに苦い笑いで誤魔化す土方さん。

これまでの重い雰囲気から、少し場が和んだかに見えましたが、
すぐに真剣な面持ちで夕日の方向を見上げる局長、そして副長。
別の場所で夕日に照らされる沖田さんの姿。
転じて、真っ赤な夕日が映し出され、エンディングナレーション。


  この時、近藤勇の胸中をよぎるものは、わが身の移り変わり。

  一介の浪士が、己の運命を京の風雲に託して上洛。

  生死を越えて、二年(ふたとせ)の後、今、いやしくも京都守護職の信任を得て

  その親書を携え、江戸に向わんとする。まさに感慨無量。

  京の空を茜に染める夕映えの輝きは、何を占うのか?

  前途にいかなる嵐ありとて我往かん。

  その心中は、男の気概に満ち満ちていた。




物語も中盤となり、これから終盤に向け更に色々なエピソードが繰り広げらることになりますが、
(ほとんどが辛いお話になるんですけどね。)
次回の第14話を経て、いよいよ山南さんの例の事件へと話は進みます。
私にとっては運命の第15話と16話。
今回も随分と長くなってしまいましたし、うまくまとめられるか心配はありますが、
がんばってUPします。

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