おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

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新選組始末記 第13話 7
第13話 「壬生の嵐」7

蛤御門の変の後、朝廷は7月に長州追討の勅命を幕府に下すも、諸藩は容易に動こうとはせず、
8月には将軍自らが陣頭に立つと発表したが、時はいたずらに流れ、既に9月。
山南さんと沖田さんがおすみさんの家に出向いていた頃、
屯所では、局長、副長をはじめ、永倉、原田、井上、藤堂の幹部連中が集まり
その件について話し合いをしていました。

長州征伐の勅命が出てから二ヶ月が経つが、幕府の総督は決まらず、
越前、尾張、紀伊の御三家でたらい回しにしていて、しかもどこも引き受ける気配はない状態。
そんなでは、幕府が攻めていく前に長州のほうから攻め上ってくる。
もう、江戸の将軍が陣頭に立たなければ駄目だというのが皆の見解。

そして、その思いは局長も同じで、彼は既に守護職と禁裏守衛総督に
将軍が急遽江戸を立つよう嘆願書を出してきたとのこと。
しかし、返事は無しのつぶてで、土方さんも幕府はどこまで腐ってしまったのか、
このままずるずるいけば、長州征伐などどこかにいってしまう、
そうなれば、幕府などないのと同じになると、怒りを顕に。
ですが、局長には今考えていることがあるとのこと。

(土)「考えていること? なんだ?」    え?俺は初耳だぞ?といった顔の土方さん。

何も言わず、おもむろに障子を開けて廊下に出る局長。
扇子を仰ぎながら、縁側にしゃがむと横に来た土方さんに俺は江戸へ行こうと思うと告げます。
将軍に会って直訴し、江戸城から京都に連れて来ると。

(土)「あんたが将軍に直訴か・・・。なるほどな。」

と、そこへ戻ってきた山南、沖田の両名。

(沖) 「ただ今戻りました。」

(土) 「医者の家に金を届けに行ったにしちゃあ、随分と手間がかかったな。」 
                           
うわ、またも嫌味全開の副長さん。
そして、総司の方に目をやるなり

    「おい、総司? おめぇ、酔ってるな?」と。 

しっかりしているつもりでも、副長の目は誤魔化せませんね。  

(山) 「土方君、まあ、いいじゃないか。総司君だって酔いたい時があるんだ。」 

(土) 「よかねえっ だいたいあんた、総長のくせに隊士を甘やかし過ぎる。
     その分だけみんな俺にツケが回ってくる。」

(山) 「土方君、ツケとはどういうことだ?」

ここで、また総長と副長のバトル勃発。

(土) 「あんたが隊士を骨抜きにした分だけ、俺が鍛え直さなきゃならんという事だ。」

(原) 「副長、総司はきっとあの娘の憎しみが解けなくて、それで酒を飲んだんだ。
     それほどまで言わなくたって。」 

(土) 「そんなことはわかってる。口を出すな。」  原田さんのせっかくの助け舟も撃沈です。

(山) 「土方君、ここにいるのはみんな、江戸の試衛館の仲間だ。
     仲間の一人に辛いことがあった時には、皆でその悩みを慰めあったっていいじゃないか。
     それが、試衛館の良さだったはずだ。」

鋭い目で山南さんに向きあう土方さん。
一呼吸おき、落ち着いた口調で話し始めます。

「山南さんよぉ、あんた間違ってるよ。ここは江戸じゃねぇ。試衛館でもねぇ。
 俺たちゃあ新選組だ。試衛館はもう消えた。あるのは京都の新選組だけだ。」

(山) 「土方君。」

そして、口調は激しくなり、

(土) 「いいかっ!、もっとはっきり言うっ!
     おためごかしの焼き出されの面倒見なんざ、もうやめろっ
     そういうことが、新選組の行く道を狂わせるんだっ。
     新選組が人斬りと言われて何が恐ろしいんだ?狼と言われて何が悲しいんだ?
     それでいいじゃねぇか。
     近藤さんは言ったはずだ。今の世の評判なんざ気にするなと。
     俺たちゃあ百年、二百年先の世の評判を考えりゃあいいんだ。」

そうですか、こういうことだったのですね。
こういう思いをずっと抱いて、山南さん達の行動を見ていたんですね。
それで、今までの不機嫌そうだった理由も嫌味連発の理由もわかった気がします。
けれど、この作品の土方さんは、ちょっと子供っぽいところがありますよね。
何かあるとすぐに不機嫌そうになるところなど、特にね。

(山) 「土方君、君は間違っている。」

(土) 「それも後の世の人間の決めることだ。今、あんたや俺の決めることじゃねぇ。」
 
(山) 「そんなことじゃないっ、私の言いたいことはっ!」

ここで、「二人とも、もうやめろっ!」と局長の声。
それで、ここでの二人の諍いは、一先ず終わりとなるのですが、
山南さんが言いたかったこととは何だったのか?
本当は、もう少し聞いてみたかったです。

ここでも、明らかに二人の新選組に対する考え方の違いが浮き彫りにされています。
昔とあまりかわらない考えの山南さん、絶えず前だけを見て気持ちを切り替えていく土方さん。
顔を合わせれば、口を開けばどうしても、言い争いになってしまう二人。
二人の考え方は、ますます離れていってしまっているように感じます。

飲みつけぬ酒を飲んで苦しそうな総司を寝かせてやれとの局長の言に従い、
山南さんと他の皆は総司と一緒に引き上げて行きますが、
一人残った土方さん、意外にも苦い顔で小さくため息をつき、先ほどの威勢はどこへやら、
トボトボと力ない様子で局長の居る座敷へと上がります。

(土)「なあ・・・、近藤さんよ。俺が総司の心配をしてねぇと思うか?
    俺だって総司のことは気にしてる。玄沢の一件についちゃあ、寝覚めはよくねぇ。
    だがなあ、今俺が甘い顔をみせりゃあ・・・」  

近藤さんだけに見せる土方さんの一面。
そこまで黙って聞いていた近藤さん。
土方さんの言葉を遮るように「歳っ、わかっておる。」と優しい眼差し。
しばし見詰め合うと、土方さんも安心したような穏やかな表情に。
こちらの二人は、最後まで語らなくても、気持ちが通じ合うんですね。

そして、近藤さんは、頭を冷やしてくる、男ばかりがガミガミ言い合っても
良い知恵は浮かばないとお孝さんのいる醒ヶ井へ。
そこでお孝さんから先生がおすみさんの所へ行ってあげて欲しい、
近藤先生ならおすみさんもきっと話を聞いてくれるだろうと言われ、
なるほど、それは気がつかなかったと喜ぶ局長。
いい知恵を授かり、俺の心も決まったと江戸行きをお孝さんに打ち明けるのでした。

そう言われてみれば、父親を斬った責任は新選組にあるのに、その長たる近藤さんが今まで
おすみさんの所へ行かなかったのは、迂闊ではなかったかと。
初めから局長が出張っていれば、ここまでこじれなかったかったような気もしないでもありません。

さて、江戸へ発つと決めた近藤さんですが、これから先はどうなりますか?
実は、もうひと波乱巻き起こるのですが、続きは次回で。

                                            つづく・・・

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