おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

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新選組始末記 第13話 3
第13話 「壬生の嵐」3

蛤御門の戦いから数日後の屯所では、沖田さんがなにやら庭の草いじりを。
そして、原田、永倉両名がちょうど部屋から出てきたところに
外出先から戻ってきた正装した局長と副長の姿。

(永)「おっ、局長。二条城への呼び出しは何でした?
    まさか、新選組に長州征伐軍に加われというのではないでしょうな。」
                     どおりで正装していると思ったら、行き先はお城だったのですね。

(近)「いかに権威が落ちたとはいえ、幕府もそこまでは頼めまい。
    今日は、この間の長州との戦いで、老中稲葉美濃守殿から感状と賞金が出たのだ。」

それを聞いた原田さん。
すかさず、池田屋以来、隊士達は働き詰めで疲れきっているから、その賞金で島原を借り切り
今夜あたりパーっといきませんか?と提案。
ところが、局長の口から出た言葉は、この村の一帯には蛤御門の戦いで焼け出された人達が
大勢いるので、賞金はその人達に分けようというもの。

そこで土方さんが一言。

「さぞかし、山南が喜ぶことだろうよ。
 あの仙人、近頃は新選組の仕事より焼け出されの面倒見で大変だ。」 
                      おっと、副長さん、嫌味全開といった感じですけど。

(近)「別段悪いことではあるまい。
    土方、お前は賞金を焼け出された人達に分けることに反対なのか?」

(土)「いやあ、反対はしねぇ。反対はしねぇが・・・」

と、渋い顔で静かに言ったまま、後の言葉は続けずに行ってしまいます。
何なんだ?というような表情で副長を見る原田、永倉両名。
ホントに何か思うところがある感じですが、それが何なのかは今はわかりません。
でも、さっきの山南さんに対する言葉には、何かしら土方さんの気持ちが現れている気はします。
少なくとも良い感情ではないことは、窺い知れますが。

そんな土方さんと入れ替わりに現れたのが、噂の主(?)の山南さん。
水桶やほうきを持ち、薄汚れた格好で、土方さんが言ったとおり焼け出された人達の
世話をしに行ってきた様子。

(近)「おうっ、山南。連日大変だな。」

(山)「いえ、この辺りは焼けなかったんで、行く所がない者が近くの藪や畑に
    大勢避難しているんですが、蚊が出てきて可哀想です。
    後で隊士に蚊やりでも届けさせましょう。」
                              やっぱり優しい山南さん。気遣いも流石。

(近)「ふむ。」

(原)「総長、局長は老中からの賞金を全部、焼け出された連中にやっちまおうっと言ってるんです。」

(永)「呑衛ぇ左之助としては、ちと不満そうだが?」 あっ、永倉さん、図星ですよ、きっと。   

(原)「う、うぅむ…。 うん? ばか言えっ、俺はもともとそうすべきだと思っていた。」
                            おやおや、どこまでも調子のいい原田さんですね。

(永)「おうっ、そうかい、そうかい、へへへ。」

とても和やかな雰囲気でいい場面ですが、やはり土方さんが気になるところ。

(山)「局長、すみません。助かります。」

(近)「それから、屯所にある米や味噌もできる限り出してやれ。隊士達が着なくなった衣服もな。」
                                     局長さんも、ホントに太っ腹。

(山)「はい。
    そういう局長のあったかい計らいで、新選組の評判はどんどん良くなっています。
    少なくとも私の前で人斬り狼なんて言う者はいなくなりました。」
                                  いつになくご機嫌な山南さん。

でも、この言葉を聞いて振り向いた局長の顔には、心なしか険しさが伺えて、
ご機嫌な山南さんは気づいていないようですが、これは余計な一言だったような気もします。

そして山南さんは、その場にいた沖田さんにおすみさんの家が、
戦いの巻き添えで怪我をした人達で溢れていて、大変なことになっていると伝えます。
すみさんに対しても、父親がいないので独りで手当てをしている、とても健気な娘だと感心もしているよう。

と、そこで沖田さんを呼ぶ局長の声。
何かと思えば、お金をおすみさんに届けてやれとの心遣い。

(沖)「しかし・・・あの娘は我々新選組を憎んでいます。特に私を。」 ためらう沖田さん。

(近)「金は娘にやるのではない。怪我人や病人の為の費用なのだ。」

そう言って「おい、山南。」と山南さんに沖田さんに渡すよう包みを託す局長。

(山)「総司君、局長がああ仰っているんだ。 君からならすみさんも受け取る。行きたまえ。」

山南さんをじっと見つめる沖田さん。
不安そうだった沖田さんも、山南さんの言葉に「はい。」と素直に受け取ります。
その表情には、山南さんの言うことなら間違いない、というような信頼感が見て取れました。

その一方で、一連のやり取りを黙って聞いていた土方さん。
いかにも面白くなさそうな面持ちで、扇いでいた扇子をパチッ!と。

副長さん、ホントになんでそんなにご機嫌斜めなのでしょうか?
その答えは、実はいずれ近い内にわかることになるのですが、
今のご機嫌な山南さんと対照的な土方さんの態度。
この二人の温度差が、またも今後の二人の行く末を暗示しているかのようで、
それを思うと切ないです。

さて、おすみさんの所へ行く沖田さんもどうなることでしょう?
気になる続きは、また次回で。
                                               つづく・・・
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