おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

新選組始末記 第13話 2
第13話 「壬生の嵐」2

「原田、沢さんの焼香は?」

局長の問い掛けに黙って香典の包みを掲げ、仕方がないので遠くから合掌してきたと
伝えた原田さん。
わかったと言うように頷づく局長でしたが、原田さんの後ろにいる人物に気がつきます。
実は原田さん、一人で戻って来たのではありません。
どおりで、沖田さんの呼びかけにたった一言しか答えなかったのも
お客人を連れていたからだったのですね。
おそらく、途中で出会ったのでしょう。
その御仁は、会津の戦奉行、飯田平左衛門殿、急用で来られたのでした。

急用とは、朝議は長州に退去を命ずることに決まり、これから長州軍の指揮者に通告に行くので
局長にも特別に同行してもらいたいとのこと。
なぜ自分がと少し腑に落ちない様子の局長、理由を問うと、
長州の嘆願書の中に池田屋の一件があるからとの答えに同行を承諾するのでした。

飯田、近藤両名に相対するは、長州藩家老の福原越後。

(福)「退却?承服できん。
    我らはあくまでも平和裡に藩侯父子の上洛の許可を得たいとお願いしている。
    再度、朝廷にお取り次ぎを願いたい。」

(飯)「朝議は既に退去と決している。この命令に従わねば追討の軍を発しますぞ!
    だいたい平和裡平和裡と申されるが、その武装は何事でござる。
    まるで戦さの支度ではござらぬか。」

確かに福原は立派な陣羽織姿。今にも出陣?といった感じ。
そんな福原にあくまでも強気の飯田さん。

(福)「戦支度は、在京藩士の暴挙を静め、あわせて池田屋の狼藉者を捕らえるためでござる。」

えっ?池田屋の狼藉者って?それってまさか?
と、ここで初めて口を開く近藤局長。

(近)「先程から伺っていると、池田屋の狼藉者とは京都に火をかけるべく集まった浪士ではなくて
    その浪士を捕らえた新選組のことを言っておられるように聞こえるが、
    そういうことでござるか?」

(福)「さよう。京都に火を放つなど、新選組が古高俊太郎に手酷い拷問を加えての
    でっち上げでござる。」

ほら、やっぱりそう。でも、あのう…、福原さん。
あなたは今誰に向ってそのせりふを言っているのか、もしやお分かりになっていないのでは?

(近)「だまりなさいっ!」 あまりの迫力に驚く福原。

続けて池田屋の暴議には密書や連判状等のれっきとした証拠があり、不逞浪士は明らかに
あなた方長州と組んでいると断言する局長。
睨み合う両名。

ここで初めて、「ところで貴公、幕府ではあまりお目にかからぬ顔だが?」と
目の前の相手に問う福原さんなのでした。

「新選組局長 近藤勇でござる。」

(福)「し、新選組の近藤?」    

堂々と名乗られた時の彼の驚きようは、まるで鳩が豆鉄砲を食らったかのよう。
ああ、やっぱり知らなかったのですね、自分が今話している相手が誰なのか。
散々悪口を言った相手が目の前にいたのですから、驚くなと言う方が無理ですが、
このばつの悪さは、ちょっと同情したくなりました。

さて、近藤さんの名を聞いた長州勢は勇み立ち、あわや一触即発。
けれど、ここは双方大人の対応で事なきを得ますが、
退去は勅命であり、これに逆らえば逆賊となる、そう言われたくなければ退去せよ、
との飯田さんの強い最後通告にもう何も言えず、
「改めて返答つかまつる。」とだけ言って、引き上げるしかない福原達長州勢でした。

(飯)「近藤さん、長州は退去するだろうか?」

(近)「しますまい。おそらく京都に攻め入るでしょう。
    この私を新選組の近藤と知った以上、長州は引くに引けますまい。」

そして、近藤局長のこの読みは、すぐに的中することになります。

元治元年7月19日午前7時、ついに長州軍は京都御所に迫り、各門を守る諸藩に攻撃を開始。
世に言う蛤御門の戦いの勃発。
それでも、この戦いは会津藩の勝利に終わり、敗れた長州藩は、御所に発砲したことで
その後朝敵として京を追われることになるのは、皆さんご存知のとおりです。
ただ、この戦いで会津藩と新選組は長州藩から更なる憎しみを買ったのは間違いありません。

                                                    つづく・・・
                                      
 
スポンサーサイト

Comment

 秘密にする

Track Back
TB*URL

Copyright © 紫蝶の新選組つれづれ語り. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。