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おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

新選組始末記 第12話 5
第12話 「残党狩り」5

「だから言わないこっちゃなかったんだっ!
 新選組は、今まで村人を斬ったことはなかったんだっ! ますます評判は悪くなる。」

普段はめったに感情をむき出しにすることはなく、土方さんと議論する時以外、
あまり声を荒げない山南総長の怒り心頭の声が響いた屯所の一室。
部屋には、山南さんの他、土方、沖田、井上、原田の面々。
局長は、まだ島原から戻っていない様子。

(土)「あ~、総長さんよ、あんまり喚かないでくれよ。
    俺たちゃ、これからどうしたらいいかを相談しているんだ。
    今更、なぜやったんだ何ぞと言ったって、始まらねぇよっ!」

(山)「いや。 新選組はしばらくの間、行動停止だ。村人の怒りが静まるまで、謹慎だ。」

(土)「馬鹿なこと言うなっ!」 扇子を畳に叩きつける土方さん。

うーん、山南さんの言う事もわかるけど、村人の怒りが静まるまでと言っても、
それはいつになるかわからない事ですし、と言うか、新選組が村を出て行かない限り
怒りは静まらないのではないかと思うのですけど。
だとすれば、新選組の活動は永遠に停止ということになりかねないと思うのですけどねぇ。
土方さんが怒鳴るのも、また分る気がします。

そんなやり取りの間も身じろぎもせず、ただじっと畳に目を落とし、座っている沖田さん。

(原)「俺が悪かったんだ。あの猛っている会津藩士を抑えられなかった。」 

そうですよ、本当にそう。 原田さんが、あそこで抑えてくれてさえいれば・・・。
でも、原田さん、自覚しているようなので、ちょっとはいいかな。

(土)「ばかやろう。男がそう簡単に謝るなっ!」  

おっと、「お前がついていながら、何やってたっ!」って怒っているのかと思ったら、違うのですね。
ちょっと、嬉しい。やっぱり、こういうところが好きです、副長。

(原)「総司さんよ。勘弁してくれよ。」

(沖)「私に謝ることはありません。」    俯いたまま、つぶやくように言った言葉には、
                          やはり、辛い胸の内が現れているようです。

と、そこへ近藤局長、ご帰還。

(近)「村人達が、また騒いでいるが、何かあったのか?」 

そんな暢気なことではないんですけど、局長。

(土)「今日の残党狩りでなあ、会津藩からの応援の柴田さんが勢いあまって・・・
    ちぇっ、沢玄沢を斬った。」

(近)「何っ? 柴田さんが? それで、沢さんは?」

(土)「死んだぁ。」

その言葉に、思わず総司の顔を見る局長。
その視線を感じたかのように畳から目を上げ、局長をみる沖田さん。
沖田さんを見たまま、「あの医者を斬ったのか。頑固なほど新選組嫌いの・・・。」と局長。

(土)「そうだぁ、だから厄介なんだ。
    隊士がやったんなら、それなりに始末の付けようもある。残された娘に詫びようもある。
    しかし、会津の人間ではそうもいかんっ。
    まして、斬ったのは会津で、新選組ではないとは口が裂けたって言えねぇ。」

(近)「土方の言う通りだ。たとえ応援の人間がやったことでも責任は全て、
    我々新選組が負わなければならない。この始末は、俺が付ける。」

そこへ、話題の柴田さん、登場。
折り入って、近藤先生に話がしたいという柴田さんに、山南、土方以外は座を外せと指示する局長。
でも、なかなか席を立たない沖田さん。
原田さんに肩を叩かれ、重い腰を上げますが、沖田さんの気持ち、わかるような気がします。

そして、原田、井上、沖田の三人が外へ出ると、ちょうど藤堂さんと出会います。
池田屋で負った額の傷の白い包帯が、痛々しそうな藤堂さんです。

(藤)「おう、総司さん。これな、あんたに付文だ。」

(沖)「藤堂さん、あんたがわざわざこんな。」

(藤)「あっ、いやいや、村の娘が持ってきたんで、俺も破ろうと思ったんだ。
    しかし、裏を見て思い直した。」

(沖)「裏?」

そこには、「すみ」と記されていました。

(原)「すみ? 医者の娘だ。」

(井)「何と書いてある?」

(沖)「私に会いたいと。」

(原)「すみさんが? 総司、頼む。行ってやってくれ。俺の為にも。
    俺は後味が悪くて、いてもたっても居られないんだ。」

(沖)「原田さんっ! あんたが斬ったわけじゃない。」

(原)「そりゃ、そうだけど、あの時、指揮を執っていたのはこの俺だ。
    頼む。行ってやってくれ。行って、あの娘と十分話してやってきてくれ。」

藤堂さん、井上さんからも強く勧められ、沖田さん、行くかもしれません。
でも、ちょっと待って。
この付文って、もしかしたら、あの池田屋の残党達の罠では?
だって、おかしいもの。
おすみさんが、わざわざ他の娘に手紙を託すなんて。
もし、本当に会いたいのなら、自分から出向くはずだし。
でも、今の状況で、おすみさんが沖田さんに会いたいと言ってくるとは到底思えない。

そうなのです、実はリーダー格が、女文字で手紙を書けと言ったのが、まさにこの手紙。
これこそが、おすみさんの名を騙って沖田さんをおびき出そうという不逞浪士達が仕組んだ罠。
なのに、誰も疑いもせず、おすみさんからの手紙だと思い込んでいる。
罠だとは、微塵も夢にも思っていない様子の4人。
もう、誰か1人くらい気づいてよー。
ここに山崎さんでもいれば、少しは怪しんだかも知れませんが・・・。
ああ~、もし、行ってしまったら・・・沖田さん危うし。

                                             次回につづく・・・
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