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おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

新選組始末記 第8話 2
第8話 「見廻組騒動」2

二条城内の見廻組の部屋では、先ほどの近藤局長の態度に我々を舐めているといきり立つ面々。
初めは合併と思ったが、新選組は解散させて路頭に迷わせ、食うことから苦労させた方がいい、
などと言う輩も。
そんな話を腕組みし、じっと聞いているのは、佐々木只三郎。
そうです、一年前、近藤さんたちを実兄の会津藩重役手代木様に紹介して下さった人物。 
彼の胸中もまた、複雑だったに違いありません。

そこへ老中の元から戻ってきた蒔田相模守の姿。

(武士1) 「隊長、新選組は解散に決まりましたか?」 
      
(蒔)  「奇怪千万にも、御老中は新選組にご執心だ。全くけしからんっ!」  
                             奇怪千万という表現が、なんともおもしろいです。

(武士2) 「それで、江戸からの人数は? 200人お連れになったのでしょ?」

(蒔)  「200人はおろか、100人も集まらん。」    えーっ? どうして?

この言葉に驚く一同。待遇は今の俸禄の倍にするとしたにもかかわらず、集まらなかったのだとか。
蒔田殿が言うには、近頃の若者は少しぐらい待遇を良くした位では動かない、江戸で遊んでいる方が良いと言っているとのこと。
                                 おやまあ、何ともいいようがありませんね。

(武士1) 「けしからーん、旗本の子弟として幕府への忠誠心はどうなったのです?
       職への忠誠心はないのですか?」      
                                 おお、この人は少しは骨がありそう、かな?

(蒔)  「誰もそんなものは持ち合わせてはおらん。忠誠心などと言えば、嘲笑われるだけだ。
      それが当世流らしい。違うか?」
                                 
そう言われて何も言えない一同。
何も言えないということは、やっぱりダメダメ見廻組ですね。
それにしても、蒔田相模守、こんな有様で、新選組なしでどうやって京都を守ろうと言うのか?
まったく、お笑い種もいいとこです。
はあ~、幕府直参の旗本達がこんな考えでは、後に幕府軍が薩長に勝てる道理はないですね。
まるで、幕府の行く先を暗示しているかのように思える場面でした。

一方、新選組屯所では、幹部一同が会議中。
外には、盗み聞きする平隊士。
新選組の行く末が気になって仕方ない気持ちは、分かる気がします。

(沖)「そんな身勝手な話がありますか?
    京都というこの荒地同様の土地を命がけで我々に耕かせておいて、実った米は手つかずに
    横取りしようというのと同じじゃないですか。そんな虫の良い話はありません。」    
                                      珍しく熱く語る沖田さん。

(斎)「それだけじゃない。上は芹沢、新見から下は佐々木愛次郎に至るまで、
    俺達は局中法度で何人もの同志を死なせてきたんだ。
    新選組は、自分の身体の血を吸って生きてきたんだ。
    局長、むざむざと解散などしませんぞっ!
    解散などするくらいなら、まず見廻組と一戦交えようじゃないですかっ!」       
                                      斎藤さん、かなり過激発言。
                                      でも、いい事言いますねぇ。
(藤)「そうだっ!、見廻組に斬りこもうっ!」      
            さすが魁先生の異名をとる藤堂さん、熱血ぶりは斎藤さんに負けず劣らずです。

(近)「まあ、待て。お前達の怒りは分かるが、ただ怒っていただけでは問題は片はつかぬ。
    幕府は会津藩を通して、我々幹部を直参にしたいと言ってきているのだ。  
    それを受けるか受けぬかを相談している。」                      
                                      局長の冷静さが素敵です。

(山)「我々幹部が直参になったとしたら、隊士達はどうなるんですか?」            
                                      なんとも山南さんらしい質問。

(近)「解散だ。希望する者は選考の上で、見廻組で引き受けるとは言ってはいるが。」   えっ?

うーん、そうなのですか?
幹部を直参にして、見廻組と同じ立場にすることで、新選組を今まで通り存続させる、
というわけではないんですね。
要するに現在の会社でいう吸収合併、それでは平隊士はリストラされるのは必然。           実績は新選組の方があっても、身分では直参旗本たちのが上ですから、
立場は見廻組のが強くなりますものね。

反対だ、断って欲しいと言う面々。
断るのはいいが、そうなると自分達の直参は取りやめ、新選組は解散、
隊士達は再び路頭に迷うことになるが、それでもいいのだなと念を押す局長。

(永)「良いも悪いも、それが侍の道です。」       おお、永倉さん、カッコイイ。

局長はいったいどう考えているのかと沖田さんに促され、近藤さん、やっと自分の意見を語ることに。

ここで盗み聞きしていた平隊士の石井は、局長の考えを聞く前に、
「幹部は直参、俺達は解散。幹部は直参、俺達は解散。」と何度も何度もお題目のように唱えて、
部屋に戻っていきます。
そして、皆にそのままを伝えてしまうので、ますます動揺する隊士達。
石井にそれは確かかと尋ねるも「だと思う。」などと曖昧なので、結局、皆で局長に聞きにいこう、
ということになってしまいます。

では、石井が聞き漏らした局長の考えは?
しばしの沈黙の後、口を開いた局長。

(近)「それでは言おう。俺の答えは、会津からの帰りに土方と相談して、既に決まっている。」  
                                                 やっぱり~。
   「ただ、このことは、隊士全体に、とりわけ江戸の試衛館以来、同じ釜の飯を食ってきたお前達に
    深い係わりを持つから相談したのだ。
    つとに、隊士全体に話をする前に俺達幹部の腹をくくっておきたかった。
    俺は、初めから断るつもりでいた。」

そうですよね、それしか考えられない。そうでなくっちゃ、男が廃るというものです。

でも、ここで、断るにしても幹部の巻き添えをくって路頭に迷うことになる隊士達の身の振り方を
考えてやるのが先決だと言う山南さん。
そう思う、俺達は何とでもなるからと永倉さん。   二人ともほんとに優しいですね。

じゃあ、どうしろというのか、幹部も隊士も両方良いという方法が何かあるのか?と問う斎藤さん。
確かにこのままでは、どっちに転ぼうが平隊士達の行く末は同じこと、どうします?局長。

そこで沖田さんが素敵な発言。

(沖)「聞いて下さい。試衛館にいた頃は、私達は死ぬも一緒、生きるも一緒でした。
    そして、京に来てからも、そう誓いました。
    今、私達が死ぬ気で気持ちを揃えれば、隊士達は皆付いて来ます。」            

(土)「総司の言うとおりだ。会津からの帰り道、局長はこう言った。
    断って、たとえ明日から食う道を失っても、俺達は江戸に帰らない。
    京に残って、あくまでも天皇と将軍に尽くす道を探すんだ。
    多摩の壮士の意地を貫き通すんだとな。」
                                    うん、うん、やっぱり近藤さんです。
                                    肝が据わってます。
こう話す土方さんは、なんか嬉しそう。
会津からの帰りに近藤さんから「江戸には帰らない」という言葉を聞いた時は、
さぞかし嬉しかったでことでしょう。

ところで、やっと出てきた土方副長。
今まで、一言も口出しせず、黙ってみんなの意見を聞いていました。
こういうところも、古谷土方、良いなあって思います。
誤解されてるところあるかもしれませんが、
いつもいつもガンガン言って、自分の意見だけを通す人ってわけじゃないんですよね。
やっぱり素敵、土方さん。

(山)「そうか、すまん。私は、考えすぎた。私は、局長に付いて行く。」 
  
自分が考え違いをしたと思った時にすぐ謝れる山南さんのこういう素直さ、いいですよね。
こういうところ、土方さんには無い、ですよねぇ…。
                    (無くてもね、大好き 私はね。
                
(みんな) 「局長、局長。」   

(近)「もう一度、付いて来てくれるか?この俺に。」   

(みんな) 「はいっ!、はいっ!」   

ここでまた、新選組幹部、いいえ、試衛館の同志の心は一つになりました。
本当はこのままずっと、みんなの気持ちが一つのまま、ずっと続いていってくれたら…、
そうであったらどんなに良かったでしょう…。
そうすれば、この先の多くの悲しい出来事は、起こらなかったと思わずにはいられません。
でも、それは、まだ少し先のお話ですね。
今は、みんなの心は一つに団結し、力を合わせてこの大ピンチを切り抜けようとしているところ。
                              
                                               次回につづく…            
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