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おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

新選組始末記 第8話
第8話 「見廻組騒動」

元治元年春、14代将軍家茂は、再び上洛して二条城に入ります。
そして、その頃、幕府は新選組の活躍によって保たれている京都の治安を更に固める為、
新たに江戸の旗本、御家人の次男、三男で組織した見廻組を結成させます。
しかし、その見廻組の出現は、新選組にとってその存在を脅かすものであり、
また、旗本、御家人の子弟から成る見廻組からみれば、新選組は未だ一介の浪士団に
過ぎないものでした。

そんなある日、巡察中の二番隊、三番隊が、武士の集団を呼び止めます。
が、再三の「待て」の呼びかけに全く耳をかす様子もない一行。完全無視状態。
そんな彼らを取り囲み、待てと言うのが聞こえないのかと詰問する永倉さん。
その言葉に、自分たちは蒔田相模守様を組頭に頂く幕府直属の見廻組で、
お前達の咎めを受ける身分の者じゃないと高飛車な武士たち。
ここで、始まる押し問答。

(永) 「見廻組? そんなものは知らんっ。
     俺達は、正式に京都市中取締役の命を受けている新選組だ。
     余計な手出しをせずと、二条城の番でもしていろっ!」                
                           おや、永倉さん達は、まだ見廻組を知らないのですね。

(武1)「貴様、浪人のくせに直参旗本に向かって何という口をきくかっ!
     新選組には明日にでも解散の命が下るはずだ。さっさと江戸へ戻る荷造りでもしろっ。」 
                                      えーっ? 解散命令?

(斎) 「このやろうっ! 昨日今日京都に来やがって、でかい口叩くのうっ!
     この一年、長州を追っ払うのに俺達がどれだけ苦労したのかわかっているのか?」 
                                      うわあ、斎藤さん、かなり熱い。

(武2)「食うための苦労など、武士のする苦労ではない。」      
                                 武士は食わねど高楊枝ってことですか?

(斎) 「うるせぇっ! 将軍が去年この京都で長州の人質同様になっていた時、
     てめぇ達は江戸で何をしていやがったんだっ、えっ? この禄盗人めっ!」    
                              まるで斎藤さんの頭からは湯気が立ってるよう。
                              凄い迫力。旗本だからって少しも怯みません。
                              それにしてもこの斎藤さん、言いますねぇ。
(武1)「貴様、我々を禄盗人というか?」   

(斎) 「そうだぁっ! 」                あくまで強気の斎藤さん。いいなあ。

(武1)「許さーんっ!」                 これはね、怒るなって言う方が無理かもですね。
                               こともあろうに「禄盗人」ですからねぇ。

あーあ、お互い熱ーくなり過ぎて、とうとう刀を抜き合うまでの事態に。
が、刀を交えたちょうどその時、絶妙のタイミングで近藤局長と土方副長がご登場。

(近) 「待てっ!」

止めに入った局長にこの見廻組とは何かと尋ねる永倉さん。
本人達を前に直参風を吹かしやがって気色悪いとまで言い放つところが、
いかにも永倉さんらしいです。
それを抑え、新選組は、守護職預かりと言うだけでなく朝廷より直々に市中取締りの命を受けている者であり、守護職からも別段解散の命がない今は、みだりにその任を離れるわけにはいかない。
お引取り願いたいとキッパリ言う局長。さすが貫禄十分。

(武1)「あなたは?」            皆が「局長」と呼んでいるのだから聞くまでもないでしょうに。

(近) 「新選組局長 近藤勇。」

(土) 「同じく副長 土方歳三だ。」   なんかね、この時の土方さんも素敵なの。

二人の名前を聞き、ちょっと跋が悪そうにするも、自分達の隊長、蒔田相模守がまもなく江戸から
200人の見廻組を連れて京に入ってくるから、その時に改めて挨拶すると捨て台詞を残し、
彼らは去っていきます。

そのまま黙って行こうとする局長に納得いかなそうな永倉さん。
会津の話は何だったのか、まさか見廻組が出来たから新選組は解散しろということじゃないでしょうね、と詰め寄りますが、巡察の後に屯所で話すという局長。
そうか、局長と副長は会津から呼び出しを受けた帰りだったのですね。
それでも諦めず、今度は副長に食い下がる永倉、斎藤の両名。

(永) 「副長、副長っ! 答えて下さいっ!」

(斎) 「今の奴ら、あのままで良いんですか?しめしがつかんっ。」

(土) 「余計な心配してねぇで、市中取締りに専念しろっ!」    
                            土方さんも何やら今は何も言いたくない様子。
                            局長が後でと言っている以上、それに平隊士も
                            大勢いるところで滅多なことを話せる訳ありませんね。
                            永倉さん、斎藤さんも熱くなるのはわかるけど、
                            隊長さんなのだから、もう少し冷静でなくっちゃね。

見廻組とのいざこざは、すぐに隊内に広まり、平隊士達も新選組は解散なのかと
心中穏やかではいられません。
局長の部屋の前に集まり、何が起きたのか教えてくれと大騒ぎ。

一方、部屋の中では、沖田さんと山南さんが隊士達をこのままにしておくとえらい事になる、
本当のことを話すべき、会津では何があったのか教えて欲しいと訴え中。
無言の局長、そして副長。
そこに巡察を終えた永倉、斎藤の両名が加わって
この二人が改めて質問するも、一向に口をつぐんだままの近藤局長。
と、一同を見回し土方さんと目線を交わすと、すっくと立ち上がり、
幹部たちには何も言わぬまま障子を開けて隊士達の前へ。

(近)「お前たちが、そこまで心配しているのに何も言わぬ訳にもいくまい。
    今日、会津藩に呼ばれたのは、京都に新しく幕府直属による見廻組を置くと
    通達があった。それだけだ。」                                 

もっと突っ込んだ話があったはずだ、新選組は解散なのかと動揺する隊士達。 
それはそうですよね。
ただそれだけだと言われても、隊士達の不安は解消されません。

(近)「静まれ、動揺するな。新選組は何も変わらん。通常通り、隊務に精励せよ。」

うーん、そう言われても…、局長の口からはっきり解散はないと言われた訳ではないし、
自分たちの明日がどうなるかわからないという不安の中、いつも通りに頑張れと言われてもねぇ。
隊士達の不安、動揺がなくなる訳はないです。
案の定、隊務につかないやる気なし隊士が続出、そんな彼らに雷を落とす永倉さんでした。

そうして、いよいよ蒔田相模守率いる見廻組が京に入って来ますが、
その姿を苦々しい思いで見る隊士達。
今にも剣を抜き、飛び掛ろうかという勢いの隊士達を必死に抑える永倉さんと斎藤さん。

(永)「抜くな、抜いちゃいかんぞ。」

(斎)「いいか、抜いた奴はたたっ斬るぞっ。わかったな。」  

やっぱり永倉さん以上に熱い奴です、この一さん。
けれど、一番飛び掛りたい気持ちだったのは、永倉、斎藤のご両人だったのではなかったかと。

さて、二条城では、
老中板倉様が、上洛した蒔田相模守広孝(川合伸旺)と会見。

(蒔)「御老中、あの新選組というのはいったい何でござるか?   
    たとえ一万石とはいえ、この蒔田相模守は備中浅尾の藩主。
    その蒔田が幕命によって見廻組を指揮いたします。
    たかが浪人ふぜいの集まりの新選組ごときは、もはや全く不要。
    会津殿に令し、即刻解散をお命じ下さい。」        
                             なんとまあ、上洛早々ご挨拶ですね。

(板)「そうはいかん、京都が今日のように静かになったのは、挙げて新選組の力だ。」 
                             おお~、さすが御老中、わかっていらっしゃいます。

(蒔)「御老中、我ら見廻組が京都に来ました以上、京都市中は必ず守り抜きます。
    新選組は不要でござる。」

(板)「あはははは、蒔田さん、貴公は一年前の京都を知らんのだ。
    あの頃の京都を知っていたら、とてもそんなことは言えぬ。」   そうよ、そうよ、その通り。 

そんな御老中に、幕府の大名、旗本より新選組を信頼の様子だが、
上様警護を始め、京都市中の治安確保は、本来幕府のやるべき仕事であるのに
あのような浪人に任せるとは何事か、そういうことが長州に幕府を軽んじさせる理由に
のだと、あくまでも強気の蒔田相模守。
でもね、その大名、旗本たちが頼りにならないから京都が乱れてしまったのでしょう?
自分達が京都を守ると息巻いても、斎藤さんが言ったように一年前、将軍が京に上ると知って
貴方たち大名、旗本たちはいったい何をした?
自分達が本来すべき仕事だと言うのなら、なぜそれを今まで放棄してきたの?と問いたいです。

大きなため息の御老中、見廻組と新選組の板ばさみで困った板倉様は、
会津の田中様に知恵を貸してくれと呼び出します。

(板)「そういう訳でな、京都を知らぬ奴が何を言うかとも思うが、見廻組こそ不要だとも申せぬ。
    あはははは、何か良い手はないか?その方得意の知恵を絞ってはくれぬか?」  
                        御老中は、新選組を本当に評価して下さっているのですね。

(田)「はっ、某ごとき陪臣に御老中直々のお言葉、恐れ入りましてございまする。
    実は、まっ、知恵と申すほどのことではござりませぬが、
    某なりに近藤、土方を呼び寄せまして、とりあえずの案を伝えてござります。」

まあ、そうなのですか、で、その案とはいったい何?
局長、副長はまだ皆に何も伝えてません。
でも、やはり見廻組を置くという通達だけではなかったのですね。
新選組の進退を左右する大事な話があった。
これで、なぜ局長も副長も、幹部達の再三の説明要求にもなかなか口を開かないのかが
わかりました。
おそらくじっくり時間をとって、皆に話をしたかったのでしょう。

では、田中様のその案とは…
それは、近藤さん以下新選組幹部を幕府直参に採りたて、見廻組と同じ資格にするというもの。
だだ、平隊士は近藤さんたちが直参を受けるか受けないかによるとの話でした。
新選組誕生以来、苦楽を共にしてきた間柄ともいえるので、無碍に非情なことも致しかねるという
田中様が考えた苦肉の策。
さすがに知恵者だと褒める御老中ですが、とはいえ、この両名の気がかり、問題は、
肝心の近藤さん達がこの話を受けるかどうか。                            
でも、受けなければ見廻組が承知しないだろうとは田中様のお言葉。
そして、それは確かな事かもしれません。

さて、新選組存続に係わるこの大ピンチ
局長は、いったいどうするのでしょう?
                                                   つづく・・・
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