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おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

新選組始末記 第6話 5
第6話 「天神橋事件」5

一方、屯所の一室では、近藤さん始め幹部に新選組の邪魔をしているのは、大坂をすべて支配してる
大坂町奉行所与力の内山で、大坂商人達も逆らえないと報告する山崎さん。
帰ってきたんですね、山崎さん。おかえりなさーい。
そこで井上源さんが、とってもいい質問。
(井) 「その内山は、なぜ新選組を憎むのだ?」 と、誰もが聞きたかった事を聞いてくれましたー。

(山崎)「一つは、幕府役人という意地です。
     もう一つは、新選組がすもうを斬った時のことを遺恨に思っているそうですが。」 ふむ、ふむ。

ここで、みんなが、すもうの一件を思い出します。
文久三年7月15日、守護職の命令で大坂出張に船で出かけた折、船中で斉藤さんがお腹をこわし、
途中で岸に上がった時のこと。歩いていく芹沢の前にデンと腰を下ろし、何か食べている相撲取りが。
寄れ、寄れと言う芹沢に対し、そっちが寄れと反抗した相撲取りは、一刀のもとにバッサリ。
その吹き出た血の凄まじいこと。
血だらけで転げる巨漢が哀れですが、逆らう相手が悪かったとしか言えません。
が、そのまま黙っている相撲取り連中ではなく、その夜、住吉楼で酒宴中に
総勢20名程度が敵討ちに押しかけてきます。
相手になってやる、返り討ちだと芹沢一派、しぶしぶ従う試衛館連中。
そして、始まる大乱闘。
この乱闘で、新選組は平山と沖田さんが軽傷を負ったものの、
すもう側は、即死5名、負傷者16名と総崩れとなったそう。

(永)「あの夜は、いい月だった。喧嘩には勝ったが、土方さんにはひどく怒られた。」  
                                    のんびりしてます、永倉さん。

(土)「あたりまえだ。近く芹沢を殺ろうという時にお前たちまで一緒になって馬鹿をするからだ。
    芹沢を咎めることができなくなる。」      

ちょ、ちょっと待って土方さん。怒った理由は分かったけど、
これでは、自分達が芹沢を殺したと言っているようなものじゃないですか?
永倉さん、山南さん、山崎さんがいる前で言っちゃいけないでしょ。
あの時、皆で金打までしたのに。
あっ、でもそう予定していたことは誰もが知っていたのかも知れないから、
こういう言い方なら、もしかしてセーフ?

確かに山南、沖田、永倉、原田、藤堂と揃っているのに、乱闘を止められなかったのですから、
土方さんが怒るのも無理はないです。
でも、原田、藤堂は率先してやってしまった感じもありますよー。
あの相撲取りたちは、攘夷派を気取って生意気だった、
自分達を見る目がまるで食い詰め浪人を見る目だったと怒っていますから。

(永)「結局、局長が、一件の始末を町奉行所に届けに行ったんでしたね。」

(近)「そうだ、俺が届けに行った。頑固一徹な与力が応対に出た。」 
                              それが内山彦次郎だったというわけですね。

その時のことを回想する局長。

(内)「ただ無礼をしたから斬ったでは分からぬ。
    いかなる無礼をしたのか、それを詳しく申されたい。」

(近)「私は、無礼討ちにした者たちの死体をよろしく処理されたいと届出に出ただけだ。
    それ以上、立ち入ったお尋ねを受けるような身分の者ではない。」

(内)「貴殿がいかなる身分かは知らぬが、我々は町方の取締りを任としている。
    しかるに、いやしくも大阪市民の人命が損なわれ、その理由の糾弾もしないとあっては、
    町与力としての役儀が立たん。」

(近)「重ねて申す。我々は、大坂上代の依頼を受け、大坂市中取締りの任にあたる
    京都守護職預かりの者である。」

(内)「貴殿が守護職殿と係わりあろうとなかろうと、この一件、最後まで探索致すゆえ、
    そのつもりでおられよ。」

そうかあ、こういう経緯があったのですね。新選組と内山の間には。
それにしても、新選組、ナメられていますね。
もっとも内山は、新選組を食い詰め浪士としか思っていないのですから、この態度は当然かも。

あの与力、本当にあの一件を調べているのか?と気に掛ける近藤さん。
山崎さんに良くそこまで調べたと労いの言葉をかける土方さん。
大坂には京屋忠兵衛ほか、知っている者がたくさんいるからと山崎さん。
やはり、内山に対する情報源は京屋のご主人でしたね。

ですが、山崎さんの報告はまだ終わりません。
彼の調べによると、この内山は、去年の8月18日の政変の時に米を買い占め、
現在は油を大量に買い占めて、値を吊り上げているという噂があり、
庶民の味方を装いながら、庶民を苦しめている奸物で、市民から恨みの声が上がっているとの事。

(土)「近藤さん、内山が頑張っている限り、新選組は大坂では思うようには動けない。」

(近)「やむをえん、内山を殺ろう。」  おお、局長からいつになく厳しいお言葉が。  

(土)「内山を殺る? 本気かっ?」 驚いたように近藤さんを見る土方さん。
                      あれっ?近藤さんにそう促そうとしていたのではないのですか?
                      もしかして、さすがの土方さんもそこまでは考えていなかった? 
 
(近)「冗談でこんなことが言えるかっ!あの内山という与力が、あの一件を探索し、
    会津藩の耳に入ったら、この新選組はどうなると思う?俺にはそれが心配なんだ。」   

俺が行こうという土方さんに自分が行くという近藤さん。
どうしてだ、こういうことは俺にまかせろ、と言う副長に局長が手を汚すことも率先してやらなければ
隊士はついて来ない。芹沢を始末して隊内の結束は固まったが、外にはまだ新選組の威信は
届いていない。内山は、新選組の勢威を外に示す格好の的で、浪士たちを震え上がらせるには、
同時に幕府をも震え上がらせなければ駄目だと言って譲りません。  
おっとと、ここで局長まで芹沢を始末したなんて言ってしまってますが・・・
まあ、この際、細かいことはおいておきましょうね。
 
(近)「内山は、俺が殺るっ!」     
                 奉行所で対峙したあの時の決着をつけたいのかもしれませんね。

(土)「近藤さん、変わったなあ。」  しみじみと土方さん。

(山崎)「内山が奉行所を下がるのは、毎夜四つ。必ず天神橋という所を通ります。」 
                              おお、そこまで調べがついているとは、さすが!
(近)「土方。」 

(土)「うーん?」

(近)「この新選組にも、お前の分身ができたな。」   山崎さんからじっと目を離さずに言う近藤さん。
山崎さん、局長からのお墨付きを貰い、これで新選組幹部達の信頼をがっちりと得ましたね。

一同が下がった後、近藤さんと土方さん二人になったところで、話は総司のことになります。

(近)「総司はどうしている?」

おもむろに虚労散薬を取り出す土方さん。

(近)「それは、お前の家に伝わる虚労散薬ではないか。」

(土)「そうだ、虚労散薬は胸の薬だ。
    江戸を発つ時に、誰かにやるつもりで持ってきたが、やる相手が総司になろうとは、
    夢にも思わなかった。」           やっぱり、土方さんは気づいていたのですね。

(近)「トシっ!お前、それを知っていたのかっ?」  
                           驚いたところをみると、近藤さんは気づかなかった?
    
(土)「ああ嫌な咳ばかりしていちゃあ、気がつかない方が変だ。」 

そこにタイミングよく咳がして、沖田さんが現れます。

(沖)「大坂へ行くんですって?」

(近)「そうだ、だがなあ、総司。お前、疲れるようだったら残っていてもいいぞ。」

(沖)「私がどうして疲れるんですか?私は一番年下ですよ。」  ごもっとも。

虚労散薬を懐にしまう土方さん。
病のことには触れず、総司が大坂に行くことに賛成する局長と副長ですが、
部屋を出て行く総司の姿を心配そうに見る二人でした。

そして、いよいよ大坂へ出発。
メンバーは、近藤、土方、沖田、永倉、原田、藤堂、井上の試衛館組。
とはいえ、なぜか山南さんの姿がありません。
幹部全てが大坂に行くわけにもいかないので、留守を任されたということでしょうか?

なにはともあれ、これだけの新選組幹部が出向くのですから、内山の命はもはや風前の灯。

                                                      つづく…
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