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おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

新選組始末記 第6話 2
第6話 「天神橋事件」2

大坂の船宿 京屋の一室には、大坂商人達を前にお前たちのお陰で溜飲が下がったと
上機嫌で酒を飲む内山彦次郎。
この与力、やはり上納金の段取りをつけるどころか、びた一文でも新選組に金を貸したら、
商いはさせないと商人達に根回ししていた嫌~な奴でありました。
どうやら商人たちは、町奉行はあって無いようなもので、本当の奉行は内山で、
内山の言うことを聞かなければ、大坂にはいられないと考えている様子。
内山本人も自分に逆らったら、大坂から追い出すだけでなく、この世に生まれたことを骨身に染みて
後悔させてやる、などと凄いことを言ってます。

それでも、商人の一人が新選組に市内の取締りを頼んだのは大坂町奉行だそうなので
本当は多少の費用は都合しなければいけないのではないか、と言ったものだから、
途端に顔色を変え、今までの上機嫌がまるで嘘のように怒る内山。
「だまれっ! わしは、そもそもお奉行が、新選組になどに市中取締りを頼んだことが
 気に食わんのだっ!元をただせば、食い詰め浪士ごときに何たるざまだ。
 お陰で大坂町奉行の面目は、丸つぶれだっ!」
なのだそう。よほど新選組が嫌いと見えます。
と、ちょうどそこへ京屋の主人忠兵衛が、奉行からの呼び出しの使いが来たと内山を呼びにきて、
商人達は、事なきを得ます。
商人達に、新選組には一文たりとも金を貸してはならないと念押しし、
忠兵衛には、新選組がここを宿にする時には、もっと粗略に扱え、去年は親切すぎたと
言い置いて帰る内山。
その様子を薬屋の扮装で、煙草を吸いながらじっと伺う山崎さん。

内山を見送った後、山崎さんに気さくに声をかける忠兵衛。
(忠) 「おやぁ、お薬屋さん。久しぶりやったなあ。」

(山崎)「へぇ、ちょっと江戸のほうへ行っておりまして。
     多摩川の近くに石田散薬というよう効く打ち身の薬がございましたんで、
     今日はそのご披露に伺いました。」

(忠) 「さようか、ほな、奥においなはれ。ぶぶでも入れますよって。」
     久しぶりにあんさんの旅の話でも聞かしておくれよ。さあ、お上がり。」

でましたよ、石田散薬。こんなところで、こんな風にさりげなく石田散薬の名が
出されていたんですね。
今更説明することもないと思いますが、石田散薬は、土方さんの生家で作られている薬です。
牛革草から作る薬で、打ち身などに効くそうですが、お酒で飲むというちょっと珍しいお薬。
昔は全く知らないから、何とも思わず見ていましたが、こういう細かい演出が嬉しいです。

で、この京屋忠兵衛さん、山崎さんが店を出る時に「近藤先生によろしゅうに」と耳打ちし、
山崎さんも「そのように申し伝える」と答えたことでわかるように、山崎さんの素性は先刻承知、
新選組にとっては味方、協力者のようです。

さて、奉行所では奉行と内山のバトル第二弾、勃発。
第一弾はバトルと言うほどでもなかったかもしれませんが、今回はかなりの激論に。
ちょっと長いですが、内山の新選組に対する考え方も良くわかるし、
見ごたえのある場面でもありました。

(奉行)「新選組から大坂出張を少し延期してくれ、と言ってきた。」

(内) 「はあ~。」     とんでもなく気のない返事。

(奉行)「内山、とぼけるのもいい加減にしろっ!
     市中商人に手を回し、新選組への上納金の邪魔をしたのは、その方であろう。」
                            お奉行、分かっていらっしゃるではないですか。
(内) 「いいや、別に。」

(奉行)「黙れっ! 新選組を招いたのは西町奉行たるこの松平大隈守の指示である。
     その方、与力の分際をもって、何ゆえその支持に従わぬ。
     元はと言えば、その方たち奉行所役人が不逞浪士を取り締まれぬから、
     こういう事になったのだぞ。」 

(内) 「これは、聞き捨てなりませぬ。」

(奉行)「聞き捨てならぬとは、何事かっ!」

(内) 「上(かみ)、上たらざれば、下(しも)、下たらず。
     大坂町奉行所役人が今日のように弱腰になったのは、お奉行、
     すべてあなた様の責任ですぞ。」

(奉行)「なにっ?」

(内) 「そうではございませぬか。
     お奉行が、なすべき時になすべき事をなし、果たすべき責務を果たしていれば、
     今日のような始末にはなりませぬ。
     はばかりながら、この内山彦次郎、天保八年の大塩の乱の時には、身命を賭して単身、
     大塩平八郎の捕縛に向かっております。
     町奉行所が民の信を失い、不逞浪士が跳梁跋扈するのは、挙げてあなた様の責任。
     しかもなお、食い詰め浪士の新選組の手を借りようとは、いやはや、呆れ果てて
     言葉もございません。」 

上司に対して言い過ぎであるのは否めませんが、
確かにこの場合は、内山の言うことにも一理あるかも。
部下の不甲斐なさは、監督すべき上司の責任と言えますから。
ですが、それならば与力である内山の責任は?一方的に奉行だけを責める内山もどうかと。
それにね、またまた出ました大塩の乱の武勇伝。
いるんですよねぇ、こんな風に過去の栄光をいつまでも引きずっている人。
その時は確かに凄かったのでしょうが、天保八年って何年前の話?
たぶん約30年近く前の話しになるはず。
そんな昔のことを今持ち出されても、だから何?それがどうしたの?って感じですよね。

(奉行)「内山っ!言葉が過ぎるぞっ!」

(内) 「内山、既に60を過ぎ、明日にも死ぬかもしれませぬ。
     しかし、今申した事は全て大坂町奉行所役人としての気概でございます。
     もし、お気に召さぬのなら、何時でも職を辞します。            どうぞ、どうぞ。
     しかし、その時は、この奉行所の与力、同心はすべて私に従って奉行所を去りますぞ。」 
                                      えっ?ほんとにそんな力があるの?
    
(奉行)「おお、わしを脅す気か。職を去るなら去ってみっ。」       よくぞ言いました、お奉行。

(内) 「いずれにしても、市中治安を新選組に頼むなど、下(げ)の下(げ)にございます。」 
                           奉行の職を去ってみろの言葉に少し驚いたような内山。
                           なので、巧みに話をすり替えましたね。

(奉行)「下の下であろうと何であろうと、今の大坂を鎮める為には新選組の手を借りる他はない。
     今後、不埒な事をすると許さんぞっ!」     
                               そうそう、奉行なのだから強気に出なければ。 
                                  
(内) 「何が不埒でございますか。お奉行が町奉行所役人を信じなくてどうして市中の治安が
     保てますかっ!」
                      信じたってきっちり仕事をしてくれなきゃ、どうにもなりません。

(奉行)「わしが部下を信ずる信じないの問題ではない。口を酸っぱくして言う通り、
     今の大坂町奉行所の力では、1000人の不逞浪士は取り締まれぬ。
     その方のようにただ意地を張っているばかりでは、奉行所は何の責務も果たせぬのだ。
     内山っ!もっとありのままを見ることだっ!」                   
                                            その通りかと。
                                        
(内) 「ありのままを見ております。幕府直参としての恥を忘れ、食い詰め浪士に市中の取締りを
     任せる弱腰お奉行の姿を。」                             
                             うううー、この男、60過ぎても子供みたいな奴だわ。

(奉行)「ええいっ!まだ申すかっ!」      

話は絶えず平行線のまま、全く話の分からない頑固ジジイ(おっと、失礼!)与力に
正直イライラしましたよー。
この与力、心底新選組が嫌いなんですね。
けど、新選組に任せるのは嫌と言いながら、どうやって不逞浪士を取り締るのかという具体案もなく、
実行もできないのではどうしようもないと思いますけど。
奉行の言うように意地だけ通しても、何の解決にもならないでしょうにね。
とにかく、憎らしさ100倍、1000倍の岡田内山です。
                                         というところで続きは次回に・・・
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