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おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

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新選組始末記 第12話 3
第12話 「残党狩り」3

応援に来た会津藩士の隊長、会津藩組頭 柴田時太郎は、屯所に着いた早々、
挨拶もほどほどに直ちに出陣させて欲しい、敵はどこにいます?と
永倉さんに詰め寄る始末。
血気盛んというか、隊長がこんなに熱すぎたら、先が思いやられるような・・・。
局長が戻るまで休息をとの永倉さんの言葉にも、非常の時だから休息などしている暇はない、
腕に覚えのある者ばかりだから即刻使ってくれ、と引きません。

が、やっと落ち着いてくれたのか、「早々、早く仕事をさせろとはやって困る。」と
沖田さんに愚痴る永倉さん。
その沖田さんが部屋で見ていたものは、若い隊士達が娘達からもらったという大量の付文
土方さんが全部取り上げて差し出せとうるさいんだそう。

(永)「ふーん。」

(沖)「あっ、永倉さん、あったら…出して下さい。」

(永)「いや、ああ、実は俺んとこにも三通ばかり来たんだが、全くうるさいって言って
    突っ返してやった。あははは。」
                    うそ、うそ、見得張ってるのが、見え見えですよー。

(沖)「そうでしょうねぇ。永倉さんは、男らしいものなあ。」

そう言いながら、懐から数通の文を取り出す沖田さん。
わざとらしいよ~。絶対に面白がってます。

(永)「それ、誰んだ?」

(沖)「ええ、私の分ですよ。」

(永)「全部か?」

(沖)「そうです。」

(永)「ほお~。」   感心することしきり。

(沖)「どうかしましたか?」   

(永)「あっ、いやいやいや。まっ、俺といい勝負だ。お互いにモテテ困るな。あっはははは~。」

永倉さん、なんだか可哀想~。
だって、強がってはいるけれど、たぶん1通も貰えてないんですよ、きっと。
それを沖田さんが、からかってる。
でも、ちょっと心和む場面で、この二人のやり取り、私は好きです。

屯所に戻った局長は、隊士達と会津の20人を集め、京都は完全に長州に包囲されたので、
いつ攻撃を受けるかもしれない、攻撃目標には屯所も含まれているから、
会津の応援と共に力を合わせて功を争うことなく、京を守って貰いたいと訓示します。
局長の話が終わり、山南さんが立ち上がって何か言おうとする前に間髪いれず土方さんが訓示。
その後直ぐ、今度は会津の柴田さんが局長に話しかけ、山南さんは言葉を発する機会を失います。
そして、最後の最後に漸く残党狩りに行くものは暑いので気をつけて行けとの言葉をかけ、
解散させるのですが、こういった細かい所にも、山南さんの総長としての立場のなさが
垣間見えるようでした。

それにしても、局長にまで池田屋と同様の敵を示してくれ、即刻斬り込む、などと言う柴田さん。
しかし、新選組の仕事の大半は、不逞浪士の探索で骨折り損も多く根気がいること、
どうか気を焦らずに地道な探索にも協力願いたい、と伝える局長に素直に頷く柴田さんですが、
なにしろ血の気が多そうなこの御仁、果たして本当に局長の言葉を理解してくれたのでしょうか?
一抹の不安が残ります。

さて、所は変わって玄沢の家では、玄沢とおすみさんが親子水入らずで過ごす姿。
どうしてもお寺に嫁に行く気はないのかと聞く玄沢に、行くのは嫌だとキッパリ言うおすみさん。
そこから、どうしても嫁に行かせる気か、そんなに邪魔かと突っかかる娘に
邪魔どころかその反対で、どこに娘を嫁にやりたい親がある、男親はいつまでも娘を
手放したくはないもの、自分も本当は死ぬまで離したくはない、でも娘の幸せを考えれば
そんなことは許されないと父親。
そんな父に、うまい事を言って、心にもないことを言って私を騙しているんだと素直に取らない娘。
可愛げなく見えますが、おそらく沖田さんのことがあるからでしょう。
おすみさんのこの気持ち、わかる気がします。
でも、これには玄沢もかなり堪えたようで、とても悲しげな表情に。

(玄) 「すみ、親に向こうて騙すとはなんや? わしゃ、いつお前を騙した?」

(す) 「お父はんは、うちの幸せなんか考えてくりゃはりゃしまへん。口だけどす。
     心ん中では、はよううちが、お寺はんの嫁はんになればええと思ってはんのどす。
     それがほんまのお父はんの気持ちどっしゃろ?」

(玄) 「すみ、お前こそ、わしの心もちがわかってはおらん。
     わしゃあな、お前が嫁に行く日になったら、祝言の席にも出とうない。
     どっかの店で、一人飲んだくれていたい、そう思うてるくらいや。
     誰が娘を嫁にやりたいもんか。それを騙すとはなんだ・・・」

泣き出す玄沢。

(す) 「お父はん・・・ お父はん、今のお話、ほんまどすか?」

(玄) 「ああ、ほんまじゃ、もっと言えばな、わしはお前の嫁入り前に お前の嫁入り姿を見ずに
     先に死んでしまいたいと思うくらいや。」
     
(す) 「お父はん・・・うち・・・お父はん、堪忍しておくれやす。
     うち、そんなお父はんの心もちも知らず、口ごたえばっかりして・・・」

泣いて謝る娘の肩を抱き、優しく叩く父。
漸くわだかまりが解け、絆を取り戻した親子の姿がありました。
良かったですね、おすみさん。
ですが、玄沢は、どうしても沖田さんのことだけは許してはくれないようです。

(玄) 「せやけどな、これだけは、はっきり言うておくぞ。
     あの沖田はあかん。あの男はほんまにええ男やが、新選組はあかん。」

その言葉に玄沢のそばから離れるおすみさんですが、その瞬間、
突然、不逞浪士が・・・。
なんと、新選組に追われた浪士2人が逃げ込んできたのです。
そして、おすみさんを人質に奥に隠れます。
そこへ追ってきたのは、原田さんの隊と会津の応援組。

(原) 「おい、ヤブ医者っ!不逞浪士が逃げ込んだはずだ。引き渡せ。」

(玄) 「またヤブ医者などと!ここには誰もおらんっ!」

何で原田さんは、玄沢にこうも突っかかるのでしょう。
いつもいつもそうでした。原田さんは、玄沢が嫌いだったのでしょうか?
だから玄沢も剥きになった。
それに娘の命がかかっているのですから尚更、必死に追い返そうとするのは当然のこと。

(原) 「見え透いたことを言うな。俺達は見たんだ。渡せ。」

(玄) 「くどいっ! 誰もおらんっ!」

原田さん、おすみさんが人質になっていることに気づきますが、
容赦なく「あそこにいるっ、ひっ捕らえろっ!」と指示。
そのため、浪士達はおすみさんに刀を突きつけ、近寄れば娘の命はないと脅します。
それを見た玄沢。
新選組の方に「下郎、下郎、下郎、下郎、俺は新選組が嫌いじゃ、入るなっ!」と
叫びながら物を投げつけます。
すると、会津の柴田さんが「邪魔立てすると容赦はせんぞっ!」と立ちふさがって・・・。

(玄) 「なんじゃ、わしを斬るきかっ、斬れるもんなら斬ってみろっー。」

大声で叫び、投げつけた物が柴田さんの額に命中、血が流れると、それに激高した柴田さん、
こともあろうに「ヤブ医者ーっ!」と叫び、玄沢を刀で刺してしまいます。
急いで止めに入った原田さんでしたが・・・刺した後ではもう遅い。

斬られたのなら、もしかしたら傷が浅く助かる可能性もあったかもしれません。
でも、刺されてしまったのですから、致命的。
状況は状況でしたが、何も刺すことはないでしょうに。
しかも武士ではない一般の村人を・・・意味がわからない。
柴田さんは、れっきとした藩士、武士だから、医者ごときに傷を負わされたとういうことが、
許せなかったのでしょうか?
血の気の多さが災いしたとしか言いようがありません。
彼に対する不安は、こうしたことで現実のものになってしまいました。

(す) 「お父はん、しっかりしておくれやす、しっかりしておくれやす、お父はんっ!」

叫ぶおすみさん。

(玄) 「すみ、すみ、わしの言ったとおりや、新選組は・・・ 新選組は人斬りや・・・
     沖田もおんなじことやぞぉ・・・」

そう言って事切れる玄沢。死んでは嫌と泣き崩れるおすみさん。
それを辛そうな顔で、じっと見ていた原田さん。
「すまん、斬っても何も殺す気はなかったんだ。」
そんなこと言ったって、そんなこと言ったって遅いです。
せっかく親子が心を通わせ、分かり合えたところだったというのに・・・酷すぎる。
殺してしまったのは、確かに会津の柴田さんです。
ですが、もしも新選組の追っ手が原田さんでなければ・・・こんなことにはならなかったのでは?と
そう思ったりもします。
玄沢の無類の新選組嫌いと追っ手が原田さんだった事、
そこに玄沢を知らない血気盛んな柴田さんがいた事、
そんな悪条件が揃って、この悲劇が生まれてしまったように思えます。 

「出て行っておくれやす、はよう、出て行っておくれやすっ!」
泣き叫ぶおすみさん。
原田さんの言葉に聞く耳など持ちません。
当たり前ですよね、何を言われたって言い訳ですし、聞きたくもないでしょう。

「お父はんの言わはったとおりや。新選組は人斬りやー、狼やー。狼やーーー。」

何も言えず立ち去るしかない原田さん。
おすみさんの泣き叫ぶ声が、夕暮れの部屋にいつまでも響いて・・・とても悲しく切なかったです。 
そして、まだそんなことを全く知らない沖田さんも、可哀想でなりません。

                                                     つづく・・・
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新選組始末記 第12話 2
第12話 「残党狩り」2

会津本陣からの帰り、盃を傾ける近藤、山南、土方の3人。

(土) 「変われば変わるもんだ。田中さんがあそこまで庇ってくれるとは思わなかった。
     褒美の上にこんな席まで設けてくれるとは。」

(近) 「会津も孤立して、腹が据わったのだ。これで漸く俺達と気が揃った。
     しかし、八木さんや前川さんも大変だなあ。毎日、村人が押しかけてきて迷惑をかけている。」
                   おやまあ、 なんか人ごとみたいな言い方ですけど、いいんですか?
                   だって、そもそもの原因は自分達がいる所為なんですよ、局長さん。

(土) 「いやあ、あいつ等は、俺達が池田屋に斬り込まなけりゃぁ、今頃、焼け出されて
     住む家もねえはずだ。それを出て行けなんぞと御託並べやがって。」   
                                それはまあ、確かに一理あるかと。
                                というか、正しいとは思いますが。 
       
(山) 「土方君、そこはちょっと違うよ。」        おや? それはいったい?   

(土) 「何が違う?」

おっと、ここで、またもや山南土方のバトル勃発?と、思いきや・・・。

(山) 「壬生の村の人達が新選組に出て行ってくれって言ったのは、
     何も池田屋だけの事じゃないんだ。
     去年の3月以来、私達が住み着いてから村の人の暮らしは
     かなり狂ってしまったんだよ。」

(土) 「暮らしが狂ったぁ? 例えばどんな事だ?」

(山) 「まず、村の平安が失われた。いつ襲われるかという新選組と同じ緊張を村人は常に
     強いられているんだ。もっと切実な事で言えば、毎日の米、野菜、魚なんかの食いもんも
     近くの店では新選組に全部買われてしまう。
     更に若い娘のほとんどは、新選組隊士にのぼせ上って、村の若もんには目もくれない。
     村にとって嬉しい事は何一つないんだ。新選組は、いわば疫病神なんだよ。」 
                
そうでしたか、そんなこともあるかもしれませんね。
それに何しろ男だけの大所帯、日々の食料調達等も並大抵のことではないと想像はつきます。
でも、隊士達が直接村人に悪さをしたなんてことは皆無なのだから、
それは、とても素晴らしいことだと思うんですけど。
ですが、山南さん、いくらなんでも自分たちのことを「疫病神」とは・・・
ちょっといい過ぎじゃないのかなあ。

(土) 「ふはは、嬉しい事を言うぜ。疫病神の方が、恐れられて俺達の仕事はやり易い。」 
                                 うわっ、なんというお返事。
                                 土方さんらしいとも言えますが。

(山) 「壬生の村は、何も新選組の為にあるんじゃない。
     近藤さん、新選組は京都の村や町の人にもっと愛されなければ駄目ですよ。」   うーん?

(近) 「山南の考えもよくわかるがな、しかし、もうここまで来れば、新選組の道は一つしかない。」
     今やっている事以外に方法はないんだ。」

(山) 「いや、しかしっ!」

(近) 「まあ、聞けっ!今世の中は、津波のようにうねり始めている。
     我々新選組だって、そのうねりの中にいる。尊王も正しい、攘夷もいい。
     しかしなあ、山南。俺は、暴挙でそのうねりを変えようという奴は、断固として許せない。
     俺は、俺のやっている事に自信を持っている。新選組は正しいと信じているっ!」

(山) 「局長の言うことも、確かによくわかる。
     しかし、世間はそうは見ないんだ。新選組はやはり人斬りの群れなんです。
     私はそれが残念で堪らない。」

(近) 「ふん、今の世間がどう見ようが、100年後いや、200年後の世間がどう見るか。
     山南よ、世間の評判など気にするな。
     問題は、俺達が毎日毎日を精一杯生きているかどうかだぞ。
     思い出話は、あの世へ行ってからゆっくりやろうぜ。あはははは。」

まだ、納得がいかないような顔の総長、対して嬉しそうな顔で局長の顔を見ていたのは副長。
しいて言えば、近藤VS山南バトルとなった場面でしたが、、
またも近藤、土方両名と山南さんの考えの違いが浮き彫りにされた場面でもあったように感じます。

でも、山南さんが本当に言いたかったことはいったい何なのでしょう?
山南さんは、どうすればいい、どうしたいと言うのでしょうか?
その具体的なことが見えないので、いまいち説得力に欠ける気がします。
ただ、山南さんには、この時、既に新選組はこのままではいけないという思いが
芽生えていたのではないかと思います。
だから、村人たちからもっと愛されなければいけないという言葉も出てきた。
新選組の道は一つしかない、今やっている事以外に方法はない、という近藤さんの言葉に
心から同調できていない山南さんがいるように思えるのです。
そこが、土方さんとの違いでもあるかもしれません。

(土) 「山南総長、さあ、飲めよ。」   徳利を差し出す土方さん。優しいなあ、いい感じ。

と、ここで土方さん、話題を変え、幹部の休息所を作ろうと切り出します。
休息所とは何かとの近藤さんの問いに、一口で言えば屯所の外で一息入れる場所、
屯所では話せないことも多くなったので、そういう場も兼ねた場で、気の置けない女も置いてとのこと。
そこで、まずは局長に範を示してもらいたい、もちろん総長もと持ちかけます。

(山) 「女を置いた休息所など、私はいらん。」   
                         お堅いですねぇ。でも、山南さんらしい。
                         そして、この気持ちは、最後まで貫くんですよね。

(土) 「おいっ、ちぇっ、それがいけねぇんだよ。これはあんたの為に置くんじゃねぇ、
     新選組の為に置くんだ。そこをはき違えないでくれ。」
                          ここ好きです。土方さんのこういう感じ、大好き

(近) 「休息所かあ、うん、なるほどな。よしっ! そういうことなら、まず俺が範を示す。」
                      近藤さん、のりのりです。深雪太夫のことを思っているのですね。

(土) 「ふはははは、なんだか打てば響くって様子だな。近藤さん、お目当ての女でもいるのか?」
                                     さすが副長、ピンポーンです。

(近) 「ふふふふふ、おい、歳。しかし、お前、人に勧めるだけでは許さんぞ。」

(土) 「うっ、そりゃあ、わかってる・・・。」 
                      急に真顔なった土方さん。
                      困ったような感じが、これまた良いです。

でも、やはり、ここでも気が合う二人とそうでない一人の構図が見えたような気がします。

そして、そろそろ会津からの応援も着いている頃だろうと席を立つ3人でしたが、
この会津からの応援が、新選組にとって、いいえ、沖田さんとおすみさんにとって重大な事件を
巻き起こしてくれるこになろうとは・・・ まだ誰も知るよしもありません。

                                            次回につづく・・・

新選組始末記 第12話
第12話 「残党狩り」

池田屋事変の十日後の元治元年6月15日、壬生の屯所前には、
「おおかみ~、出て行けー。」と、次々に石を投げつける大勢の村人達。
そういえば、池田屋から引き上げる時も町衆から石を投げつけられた新選組。
壬生に戻れば、今度は村人達の襲撃を受けるとは、いったいなぜ?
その理由は、八木さん夫婦と玄沢との会話が物語っています。

(玄) 「悪いことは言わんさかい、はよう新選組を追い出しんしゃい。 
     あんな連中にいつまでも宿を貸していると、八木さん、今度はあんたらまでが狙われるで。」

(八) 「沢先生、どうして私達が村の人達に襲われなきゃならんのですか?
     新選組が何をしたというんですか?」               
                            そうですよね、理由がわからない。

(玄) 「わかっているくせにそないなことを言う。
     池田屋での新選組のあの暴挙。
     京の人達の最大の楽しみやった祇園祭をめちゃめちゃにしただけではなく、
     噂によると、今度は長州が新選組の屯所を襲うかもしれんということじゃ。
     そないなことになったら、何の罪もない村里は、一緒に焼かれてしまうんやで。」 

(まさ) 「先生、女のうちがこんな口出しして、堪忍しておくれやっしゃ。
      池田屋に集まらはった浪人はんは、風の強い日に京に火を付ける計画やったそうや
      おへんか。新選組の皆さんは、それを防いでくだはったんと違いますか?」   
                             おまささん、よくわかって下さっています。

(玄) 「それやねん。勤皇はんが火を放つ言うのんは、新選組が手柄を立てたいばっかりの
     作り話やゆうもっぱらの噂や。」                      
                             えっ、えっー?な、なんていうことを。
                             いくらなんでも酷すぎやしませんか。

(八) 「そんなことを言っては、命がけで京の町を守って下さる新選組の人達、
     気の毒じゃありませんか。」
                                 ご主人、良くぞ言って下さいました。
                                 八木さん、本当にいい方ですね。

(玄) 「気の毒やろうとなんやろうと、壬生村の人達はもうこれ以上、
     新選組にいられては迷惑だとはっきりと言うとるんや。
     八木さん、あんた、どないしても承知でけんと言うんだったら、
     わしゃ、この後どんなことがあっても知らんで。」

(まさ)「沢先生、先生はもしや、おすみはんと沖田はんのことにこだわって、
     村の人の今度の騒ぎを都合のええことにしてはるんと違いますやろな。」
                            おっ、流石にするどいおまささんです。

(玄) 「ええ、何を言うか、わしゃぁ、私情なんか挟まん。
     八木さ~ん、どないするんやぁ、新選組を追い出すのか追い出さんのか?
     わしゃ、これから村の寄り合いに行って返事をせねばならん。
     はっきりと答えておくれっ!」                 
                        なんだか、図星のようですね、玄沢先生。
                        焦り具合でよくわかります。
                                       
困ったと言わんばかりに顔を見合わす八木夫妻でした。
それにしても、何度も言っていますが、この玄沢先生、よっぽど新選組が嫌いとみえます。
なんで、こんなに目の敵にするのでしょう?
娘のこともあるかもしれませんが、この嫌いようは半端じゃない。
よくわからないけれど、もう少し、新選組に理解を示してくれていたらなら・・・
玄沢のこの気持ちが、この後の悲劇を生むことになると思えるからこそ尚更、
そう思わずにはいられません。

さて、屯所には、相変わらず「出て行けー。」と石を投げ続けている村人達。
隊士達が鉄砲で威嚇するも攻撃は収まりません。
そこへ出てきた近藤局長、山南総長、土方副長。
流石におとなしくなる村人達ですが、恐る恐る顔を覗き込むようにしながらも
「人斬りの隊長や。」「親狼や。」と罵詈雑言。
これが、玄沢が言っていた壬生村の人たちの気持ち、姿なのですね。
そんな村人には目もくれず、堂々と歩いていく近藤さん、一瞬ギロッと睨みをきかせる土方さん。
この土方さんがまたかっこいい。 (って、そこかい。)

その一方で、池田屋の残党狩りに毎日忙しい日々を送っている隊士達ですが、
浪士等を捕らえた藤堂さんにそっと付文を渡す娘がいるなど、
京の町娘の間では、隊士達の人気が上がっているとのこと。
とは言え、やはり京の人々の気持ちは、大方が壬生村の人達と同じなんだと思います。

池田屋の知らせは、4日後には長州に届き、大憤激した長州藩は福原越後等3人の家老が率いる正規軍と真木和泉の浪士軍の併せて2000が、伏見・山崎に布陣、情勢は再び険悪となります。
この長州出兵を知った長州に同情的な諸藩は、それを口実に一斉に会津藩を非難し始めます。

黒谷の会津本陣には、芸州、因州、備前藩の上役3人と会津の田中様。
3人は、あれほどまでやることはない。話せばわかることだ。
新選組の暴挙もさることながら、その後ろ盾となる会津藩の真意も測りがたい。
会津はもともとは公武合体派。
そのよりどころは、武力ではなく話し合いでことを進めることだったはず。
それが率先して力を用いるとは何事か、強く抗議する、と言いたい放題。

ただ黙ってじっと聞いていた田中様。
彼等の話を一通り聞き終えると、「申されることはそれだけでござるか?」とピシャリ。
諸藩のご意向はしかと承ったと肯定するも、所詮は事に臨んで手をこまねいていた者の言。
早く言えば傍観者の言だ。もし、新選組が池田屋を襲わなかったとすれば、
今頃京は、御所を始め一切がただ一面の焼け野原となっていた。
いわば、新選組は京を救った大功労者。ゆえに朝廷も近くご褒賞の予定だ。
当守護職会津藩としては、当日の措置に微塵の誤りもなかったと確信している。
むしろ新選組を直接応援できなかったことを悔やんでさえいる、とキッパリ。

「会津殿も頑迷になられたな。」

「頑固は、会津者の変ええざる性でござる。」

ここまで言われ、何も言えなくなったお三方は、黙って引き上げていきます。

と、彼等の姿が見えなくなると、襖の向こうに声をかけた田中様。

(田) 「さあ、近藤さん、山南さん、土方さん、ささ、これへお出で下され。」 
                   なんと、隣の間に新選組の3人は控えていたのですね。

(近) 「はっ。」
 
(田) 「いやぁ、本日はのう、先日の池田屋での働きに対する守護職様よりの感状と報奨金とを
     お手渡ししようと思っての、各々を呼んだのじゃが、
     あっ、いや、つまらぬ事を耳に入れてしまって腹を立てんで下さいよ。」

(近) 「とんでもございません。火を吐くような田中様の新選組ご弁護、
     あちらで胸を熱くして伺っておりました。」   

(田) 「あはははは、あまり勝手なことばかり申すゆえ、つい腹を立ててしまいました。」
  
    「実は、本日からのう、壬生の屯所に当藩の者、20人ばかりを応援に差し遣わすゆえ、
     思うように使って下され。どうも長州が、壬生を襲うと申すのは、噂だけではなさそうじゃ。
     のう、近藤さん。
     先日の池田屋において、私はのう、近藤さんの率いる新選組が命を捨てての誠と申すもの、
     この目で、しかと見届けたように思う。
     今後も公武一和の為に会津藩と共に一層の努力を重ねて下され。」

この田中様、会津の大狸で腹の底はわからないと思っていましたが、今回のこの言葉は、
心底言って下さっているように思えました。
それに他藩に対して新選組を弁護した時の毅然たる態度、言葉も嘘とは思えませんでした。

(近) 「武士冥利に尽きるお言葉、近藤勇以下新選組はただ一筋に道を定めております。
     会津様のご存念、何よりも力強く存じまする。」

深々とお辞儀をする3人でしたが、一歩遅れて頭を下げた山南さん。
それには何か意味はあるのでしょうか?
深読みすぎる気もしますが、それがちょっと気になりました。
田中様の話を山南さんは、どんな思いで聞いていたのか?
山南さんのことだから、おそらく、近藤、土方両名とは違う思いで聞いていたのでは?
という気がしてなりません。

                                               つづく・・・


新選組のコミック つづき
新選組のコミックについて、もう少しご紹介しましょう。

まずは、

  『歳三 梅いちりん ~新選組吉原異聞~』 (上下2巻)  かれん 
                                       (クイーンズコミックス 集英社)

歳三梅いちりん~新選組吉原異聞~ 上 (クイーンズコミックス)歳三梅いちりん~新選組吉原異聞~ 上 (クイーンズコミックス)
(2009/07/17)
かれん

商品詳細を見る


主役は題名からもお分かりのように土方さん。
でも、舞台は新選組結成前の試衛館時代。
土方さんと某藩の殿様との間に起こった黛花魁をめぐる有名な吉原田圃の大喧嘩のお話です。
お断りするまでもなく、吉原が舞台ですから、そういうシーンも多々あります。
なので、廓の話なんて嫌。
土方さんが花魁と・・・なんて絶対に許せない! などと思う方には、お勧めしませんよー。
それに大人の女性向けですから、お子様もご遠慮下さいませ~。

で、私はと言いますと、私は大好きです、この作品。
時代背景、廓の世界の細かいところなども念入りに勉強されていて、
先生のこの作品に対する思い入れの強さも感じられます。
画も綺麗だし、登場人物に魅力的な人も多く、肝心の土方さんも素敵ですしね。
最近の作品の中では珍しく、お気に入りとなりました。

ちなみに、かれん先生はブログで、この作品の制作秘話などを語っていらっしゃいます。
それがまた楽しく、なるほどと思うことも満載。
作品を片手に、是非、訪問してみて下さい。


続いては、現在読んでいる連載中の作品を3つほど。
ただし、最初にお断りしておきますが、辛口意見になっています。
ですから、以下の作品をお好きな方は、不愉快な思いをされるかもしれませんので
スルーして下さいませ~。あしからず、ご了承のほどを。

    『斬バラ!』   片桐いくみ (ゼロサムコミックス 一迅社)

斬バラ! 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)斬バラ! 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
(2009/12/25)
片桐 いくみ

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『ゼロサム WARD』という奇数月16日発売の月刊誌に連載中の作品です。
青年向け雑誌かな?コミックは、現在2巻まで。
主人公は、少年2人。新選組隊士ではありません。
が、この2人がひょんなことから新選組と関わりを持つことになるんです。
ただ、1巻を読んだ時点では、結構面白いかなと思ったのですが、
読み進める内に、なんというか、落ち着きのない画というか、そういうシーンが多くて・・・
なんだろう、上手く表現できないのですが、分ってもらえないかもしれませんが私には読みにくい。
それに、あの人斬り以蔵がなんと 
敢えてお教えしませんが、この設定はどうかと・・・。
いくら創作でも、そこまでしなくてもねぇ・・・という思いが強いです。
なので、この先、ついていけるか、読み続けられるかは、我ながら?です。

お次は、

    『新選組刃義抄 アサギ』   蜷川 ヤエコ 画  山村 竜也 原作
                        (ヤングガンガンコミックス スクウェア・エニックス)

新選組刃義抄 アサギ 1 (ヤングガンガンコミックス)新選組刃義抄 アサギ 1 (ヤングガンガンコミックス)
(2009/06/22)
山村 竜也

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こちらは、『ヤングガンガン』という月2回発売の青年雑誌に連載中の作品で、
原作は、大河ドラマ「新選組!」で時代考証を担当された山村竜也先生です。
ですから、本格的といえば本格的な作品。
コミックは、現在2巻まで、6月に3巻目が発売されるようです。
主役は沖田さん。
でも、こちらも読み続けるかはわかりません。
画があまり好みじゃなくて・・・(だって、芹沢さんは気持ち悪過ぎるし・・・
内容も印象に残らないんです、私には。
続きがどうしても読みたいという気にならないのは、なぜだろう?って
自分でも不思議なんですけどね。

あっ、そうそう余談になりますが、この作品にも当てはまるのですが、
最近の漫画では、山南さんが眼鏡をかけているのが多いのは、なぜなんでしょう?
インテリっぽさを出すため?
でも、なんか、個性がなくてつまらない。
ピースメーカー、薄桜鬼、そしてこのアサギ、みんな同じようなイメージなんだもの。
山南さんだけ取り替えっこしても全然違和感なし、そんな感じさえします。

まさか、私が知らない内に山南さんが眼鏡をかけていたなんて史実が出てきたなんて、
ありませんよねぇ。

さて、最後は、

    『アサギロ ~浅葱狼~』   ヒラマツ・ミノル
                    (ゲッサン少年サンデーコミックス 小学館)

アサギロ 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)アサギロ 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
(2009/12/12)
ヒラマツ ミノル

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『ゲッサン(月刊少年サンデー)』に連載中の作品です。
コミックは、現在1巻まで。
この作品は、ネット検索していて偶然見つけました。
題名はなんだか分るような分らないようなで、ちょっとシックリこないと思ったのですが、
とりあえず読んでみようと購入しました。

主役は沖田さん。
そして、珍しいことにこの物語は、沖田さんが12歳の時から始まります。
内容的にはとっても興味深く、私は好きです。
ただし、画が何とも個性的と言うか、はっきり言ってかなり気持ち悪いところがあります。
それに主人公は沖田さんでも、沖田ラブの方は、もしかしたら凄い拒絶反応を起こす可能性も。
画にも驚きますが、沖田さんの性格も今のところ可愛くない面が強いので。
こんなの私の沖田さんじゃない!ってなるかも。

でも、沖田さんがこれから色々な出会いを経て、成長していく過程を見られるとすれば、
私は楽しみかなとも思います。
「あれ?上の作品では気持ち悪いから嫌と言っておきながら、こちらはいいの?」という声が
聞こえてきそうですが、ストーリー的にこちらのが好みだからOK、ということでお願いしまーす。

もし、興味がある作品がありましたら、是非読んでみて下さいね~。
感想などお聞かせいただけたら、嬉しいです。

新選組の漫画のお話をすると、作品が多すぎてキリがありませんから、今回はこのくらいにして、
他の作品については、また少しずつ取り上げていきたいと思います。

それはそうと、「新選組始末記」の記事のUPをかなり滞らせているので、
いい加減、進めないといけません。
今年中に全話UPを目標にしているのですから、がんばらねば。

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