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おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

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新選組始末記 第11話 3
第11話 「池田屋事変 その三」3

激戦が続く中、外へと飛び出していく浪士達、追う新選組。
逃げようとする宮部達の前には、行く手を阻む幕府軍。
もはや逃れるすべはなく、袋のねずみ。
局長は、池田屋の一部屋に追い込め、固めて追い込めと指示。

既に日はとっぷりと暮れ、暗闇の中でも続く死闘。

(土)「逃がすんじゃねえぞっ!明かりだーっ、明かりをつけろーっ!」

副長の檄が飛び、ますますの大激戦の中、

(局)「明かりを急げーっ、逃げた奴を捕らえろーっ、明かりを急げーっ!」

局長の声も響きます。
そういえば、戦線離脱したと思った沖田さん、その後も敵と激闘を繰り広げていました。
少しでもみんなの役に、いいえ、近藤さんの役に立ちたいのかもしれません。

さて、逃げた者も許さない新選組の追い討ちは、池田屋周辺を虱潰しに踏み込んでいき、
原田さんらは、とある部屋で芸者と酒を飲む二人の武士を討ち取ります。

(原)「おい、貴様らは池田屋から逃げてきたろ。そんな芝居をしても駄目だっ!
    一緒に来いっ!」

そう言われた二人は、無礼をするな、自分達は長州の某、土佐の某と名乗ります。
おやおや、お二人さん良いのですか?
今、原田さんは池田屋から逃げてきたんだろう?と聞いたのですから、ここで新選組に
長州だ、土佐だなどと言ったら、駄目な事ぐらいわかるでしょうに。
案の定、原田さんはますます臭いと引っ立てる事にしますが、歯向かった為、斬り捨ててしまいます。

(武士)「馬鹿なあー、俺達は池田屋には係わりはない・・・。」そう言って事切れる武士。

(原)「馬鹿めが~、見え透いた嘘をつきやがって。」  うーん、嘘じゃなかったと思いますが・・・。

そう言うと部屋の隅の不自然に立てかけられた襖を槍で突き刺し、去っていきます。
「ぐあぁぁぁぁーっ。」ころげ出たのは一人の男。
原田さん、いくらなんでもあまりに強引すぎる~、と思いましたが、襖の陰に男が隠れていた事で、殺された二人は、本当に池田屋から逃げてきた者ではないかもしれないけれど、
この時点で係わりを持ったと言え、原田さんの判断は間違っていなかったのかもしれません。

そして、6月6日の午前。
池田屋の乱闘は、いよいよ大詰めに。
池田屋内部、新選組隊士達に取り囲まれた宮部以下残った浪士達。

(局)「宮部さん、ここまで戦えば、同志達ももう何も言うまいっ!
    今は潔く、縛につきなさいっ!」

(土)「長州からの応援を待っているつもりかもしれねぇが、この池田屋は三千人の幕軍が
    取り囲んでるんだっ!蟻一匹たどりつけねぇよっ!
    それになあ、長州はもともと助けにくる気なんぞねえっ!この俺達を見ろっ!
    ぐるりと囲んではいるが、その内の一人でもここへ斬り込んで来たかーっ!
    藩なんてもんはそんなもんだっ!おめえさん達も一緒だよーっ!」

(浪士)「同じではないーっ!長州は必ず来るーっ!」

(土)「そうかなあー。しかし、その前に俺達が捕らえる。縛につくのか、つかねぇのかーっ!」

今までじっと聞いていた宮部、副長のこの言葉の後、なんと、
いきなり腹に刀を突き刺すという行動に。
飛び出そうとする土方さんと原田さんを制止する局長。

(宮)「諸君、事ここに至った以上、犬死はするな。たとえ、たとえ囚虜の恥は忍んでも、
    回天の為に立ち×××。諸君、長州は、長州は必ず立つ!」       
                                    
(※ごめんなさい、×××の部分、何度聞いても聞き取れず、なんと言っているのか不明。
  私には、「つぶくせ」と聞こえるんですが、そんな言葉はないですものねー。
  初めは「尽くせ」かとも思ったのですが、なんか違う感じだし・・・うーん、ごめんなさい。
                                         
(宮)「近藤・・・、時の流れに逆らう今宵のこの暴挙。必ず天が裁くぞ。
    貴様ら新選組は、ほどなく時代に取り残されるのだっ。諸君、さらばだー。」

苦しい息のもと、こう告げて自らの首筋を掻っ切ろうとした時、いち早く振り下ろされた局長の刀。
最期になんとも不吉な言葉を残した宮部を斬らずにはいられなかったのかもしれません。
それにしても、「今宵のこの暴挙」とは、宮部さんには言われたくないですねー。
だって、自分達の行おうとしていた事の方が、よっぽどの暴挙だったでしょう?ねえ?

「貴様達はどうするっ!」

「宮部さんのように、見事腹を掻っ切れるかあーっ!」 泣き叫ぶ浪士達に局長のはげしい言葉。

そして、彼ら全員、泣きながら剣を捨て、捕縛されるに至ります。

宮部の遺体にそっと自分の羽織をかける近藤さん、せめてもの武士の情け?
こういったところの優しさが、また良い局長です。
でも、厳しい表情で宮部を見下ろす局長の胸中には、いったいどんな思いが?

ともあれ、こうして、歴史に残る池田屋の死闘、数時間に及ぶ長い長い激戦は、
宮部の自決で漸く終わりを告げたのでした。

                                              つづく・・・
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新選組始末記 第11話 2
第11話 「池田屋事変 その三」2

池田屋の前に到着した近藤隊。
局長は、永倉さんは表入口、藤堂さんは裏口、周平くんは庭、沖田さんは自分と一緒にと
4人の持ち場を指示すると、浪士の集結場所がここだとすれば敵は何十人いるかわらず、
捕らえている暇はない、すべて斬れ、と命令、配置につかせます。

そして・・・
表戸を開け、勢いよく乗り込むと「新選組だ。御用改めである。」と一声。
店の中はとっても静か。
が、ひょこっり出てきた惣兵衛は、局長の姿を見て驚き、上ずった声で
「お二階の皆さん、新選組の・・御用改めでございまっせ。」と叫び、階段を上ろうとするところを
局長に押しのけられ、沖田さんに口を塞がれ押さえ込まれます。
この主人の行動で、浪士達はここだと悟った局長、そして沖田さん。

(局)「しまったぁ~。土方が戻ってくるまで、何としても持ちこたえねばならん。」

(沖)「はい。」

この時の二人の気持ちは、どんなものだったでしょう?

羽織を脱ぎ捨て、抜刀し待ち構える局長。
「なんだ、おやじ?どうした?」何事かと様子を見に出てきた浪士を見るや
一気に階段を駆け上り、一刀のもとに斬り伏せ、戦いの火蓋は切って落とされました。
上がったところには敵と対峙する山崎さん。
そこに惣兵衛を拘束してきた沖田さんも合流。
(ちなみに、その後、池田屋惣兵衛は、六角獄舎に入れられ、翌7月獄死。)

(崎)「局長っ、奥座敷です。三十名はいますっ!」

(局)「よし、よくやったっ!」

局長は、山崎さんを褒めるとそのまま奥座敷へと向かいます。
沖田さんも一緒に。
大ピンチだった山崎さんも、局長や沖田さんの姿を見てホッとしたと思いますが、
でも、でもまさか、ここへ来ているは5人だけとは思わなかったことでしょう。

大勢の浪士達を前に、

「新選組局長、近藤勇である。古高俊太郎の自白により、京都に火を放って天皇を奪おうという
貴様らの密議は発覚した。不逞浪士どもっ、潔く縛につけっ!」

堂々たる姿は、さすが局長。

「諸君、生きて縄目の恥を受けるな。新選組を皆殺しにせよ。」

対して、こんな時でも、冷静な口調は変らない宮部鼎蔵もなかなかの者。

そして始まる大激闘。

局長の迫力、沖田さんの三段突きに手こずる浪士達。
いいえ、たった二人の敵に歯が立たない彼らです。
そこで宮部は、逃げて長州藩邸に行け、ここは自分が引き受けるから血路を開いて退け、
桂小五郎に急を知らせろと指示。
浪士達は立ち向かうのを止め、一斉に逃げ始めます。

「逃がすなっ!追えっ、逃がすなーっ、追うんだーっ。」

戦いながらも必死に叫ぶ局長。

でも、表入口には永倉さん。そう簡単には逃がしはしません。
永倉さんの剣に浪士達は、やむなくまた店の中へと押し戻されることに。
ある者は、庭の裏の川につないである舟で逃げようと考えますが、
そこは、周平君が戦いが始まる前に舟のつなぎを解き、流してしまったのでそれも不可能。
この周平、なかなか機転が利くし、槍での戦いぶりもへっぴり腰で頼りなさそうな割には
頑張っていて、結構敵を翻弄します。

新選組の6人それぞれが、何人もを相手に大奮戦。
ところが、永倉さんの刀は金火鉢を叩いて折れ、左手に重傷まで負ってしまいます。
そして、更に困った事には、池田屋の中へ中へと追い詰められた浪士達ですが、
彼らは戦う内に新選組は6人しかいないと気づくと、逃げる事から一転、
6人とも殺すという強気な考えに方向転換、勢いよく襲い掛かってくる形に。
永倉さんを庇いながら戦う沖田さん。

一方、戦いながら局長のもとへ来た山崎さんが問います。

(崎)「局長、他の隊士はどうしたのです?これで全部なのですか?」

(局)「まもなく土方が四国屋から戻ってくる。」

(崎)「四国屋ぁ? 私の前の報告がそうなっていたので申し訳ありません。」

(局)「いや、お前はよくやったっ!」

そこに沖田さんの叫び声。

「局長ーっ、永倉さんが危ないーっ!」

「山崎っ!ここを頼むぞっ!」急いで一階に駆けつける局長。

一階も、二階も、庭も、裏口も大激戦。
そんな中、なんと沖田さんが喀血、藤堂さんは額を割れられて重傷という事態に。
それでも敵の刃は容赦なく彼らを襲い、戦いは休む間を与えません。
お互いを庇いあいながら戦い続ける6人。
まさに死闘・・・。

池田屋でこうした激闘が繰り広げられている頃、土方隊が向かった四国屋は、
宿のものまで逃げ去った後のもぬけの殻。

(土)「池田屋だとすると、近藤さんたちゃあとんでもない事になってる。
    よしっ!直ちに池田屋に向かう。つづけーっ!」

やっと池田屋へと向かう土方隊。
ああ~、ホントに早く行かないと大変、さすがの腕利きの6人でも
30人相手では限界があるというもの。早く、早く~。土方さーん。

さて、池田屋へと目を戻すと、戦いは池田屋内部には止まらず、外にまでおよび、
遠巻きに見ていた祭り見物の野次馬達の前でも、斬り合いは繰り広げられました。
さすがにこの頃になると、近藤局長にも焦りが見え始め、「土方、土方はまだかぁー。」
こう叫ぶ局長の気持ちもわかりますよね。この絶体絶命の状況。

そこへやっと、やっと土方隊到着~。
怒涛のごとく池田屋になだれ込むと、形勢は一挙に逆転ムードに。
着くなり何人も倒す副長。うん、やはり頼りになります。
援軍が着き、少しだけ余裕ができたのか、近藤局長。
そこでふと気になったのは沖田さんのことのよう。

「沖田~、沖田はどうしたーっ、沖田ーっ!」 響く局長の声。

そこで斉藤さんから沖田さんが血を吐いていると知らされます。

そして、沖田さんを見つけた時、

「沖田、しっかりしろ、沖田ーっ、大丈夫か?死ぬんじゃないぞー。」

心配そうな局長に沖田さんが言った言葉は、

「先生、こんな面白い修羅場にめぐり合えたら、死ぬもんですか。
 いつか先生が言ったでしょ。わたしの死に場所は、先生が決めるって。」

うー、まさか沖田さん、こんな状況をも楽しんでいたと?
おお~、剣の鬼の片鱗を垣間見るようなセリフ。
天才剣士の考える事はわかりませんねー。 

「その通りだ、しっかりしろっ!誰か、誰かあー、沖田を介抱してやれっ!」

ここで沖田さん、戦線離脱。
その前には重傷を負った藤堂さんも介抱に回され、
この二人はもう大丈夫ねとちょっとホッとしました。
というところで、今回はここまでということに。
                                              つづく・・・


新選組始末記 第11話
第11話 「池田屋事変 その三」

近藤局長以下5名が三条小橋池田屋に向かっている頃、浪士達は池田屋の一室で酒盛り中。

(松)「諸君!我々はまもなく壬生の新選組屯所を襲う。
    明朝には、新選組の頭、近藤勇の首をすぐそこの三条河原に晒すのだっ!」

(浪士達)「よしっ!」

(浪士)「酒だ、酒だ、酒を持って来いっ!」   皆さん、威勢はいいけど、ちょっと飲みすぎじゃない?

酒の要求におよねが山崎さんに後を頼んで酒を取りに行こうとしたところ、自分が代わりにと言って
部屋を出た山崎さん、下に降りると誰もいない事を確認し、入り口のつっかえを外します。
と、直後に惣兵衛が来て危ないところでしたが、「おや?じょう吉はん、なんどす?」と問う惣兵衛に
(あっ、なぜ「じょう吉」と呼ばれたのかというと、山崎さんは池田屋に泊まりこむ時、宿帳につたない字で じょう吉という偽名を記したからでした。)
「あの、上でお酒が足りないそうどす。」と何事もないように誤魔化すと
お客を使っては悪いからと惣兵衛が台所へ行ってくれたので、なんとか事なきを得ます。

ところが・・・
更に酒がないとの催促に、今行ってくると廊下へ出たおよねが見たものは…。

急いで自分の部屋に入る山崎さん。
戸も閉めずに荷物を開け、短刀を畳に置いて紙と筆を取りだし、何やら書き始めますが、
開けっ放しの部屋の入り口にはおよねの姿…。
短刀を見るや、すべての察しがついたのか、いきなりそれを奪い山崎さんに刃を向けると、

(よ)「じょう吉はん、宿帳付けはった時とちごうて、きつう字がお上手ですな。
    そうどしたか、あんた幕府の犬。よう、だまさはりましたなあっ!」

そう言うなり、すごい勢いで襲い掛かります。
「みなはーん、ここにいるのは…」と大声で知らせようとする彼女の口を手で押さえる山崎さんですが、
ここは勤皇の志士を夫に持つ女性、簡単におとなしくなってくれるはずはなく、激しい抵抗にあうと
これ以上騒がれるとまずいと思ったのでしょう、取り上げた短刀で彼女の後ろから・・・

「ぎゃあぁぁぁぁぁー。」

響き渡る絶叫…  

「許せっ。」 辛い表情で短刀を抜く山崎さん。

いつでも慎重に慎重を期す山崎さんでしたが、この時ばかりは迂闊だったかと。
戸を閉める余裕、周りに気を配る余裕が、もう少しあったならと悔やまれます。

でも、憐れだったのはおよねさん。
自分が信じて招き入れた人が、実は、敵方の人間だった。
しかも、裏切られただけではなく、その人の手によって命を絶たれることになってしまうとは、
出会った時から今まで想像もしていなかったことでしょう。
何も悪い事はしていなのに…。善意が仇になった、そんな悲しい結末。
これが勤皇の志士の妻の彼女に待ち受けていた運命でした。

ですが、まさか山崎さんが、彼女を手にかけるとは、思いもよりませんでした。
この演出には、ちょっとビックリ。
山崎ラブの人には、刺激が強すぎる感じもしますが、どうでしょう?
うーん、ここで山崎さんは本当に彼女を殺さないといけなかったのでしょうか?
おそらく苦渋の選択であっただろう事はわかりますが、そんな疑問が、ふと浮かびました。
気絶させて、縛り上げておくだけでもよかったのでは?と思わないでもありません。
でも、これから起こる事を考えると夫は命を落とす事になるので、彼女に命があっても
この先ずっと辛い思いをする事は必定、ならば、これでよかったのかなという気もします。

悲鳴を聞き、駆けつけた浪士達。

「どうしたっ?きさまー、何者だっ?所司代か、守護職かっ?新選組だなっ!」

正体もバレ、浪士達に斬りかかられる山崎さん、たった一人で大大大ピーーンチ!

さて、どうなることでしょう?
                                           次回につづく…

新選組始末記 第10話 6
第10話 「池田屋事変 その二」6

渋い顔で祇園会所に姿を見せた局長。
今か今かと待っていた副長の第一声は、「幕府はどれくらいの応援をよこす?1000か?500か?」
ですが、局長からは田中様との話のとおり、今はまだ兵を出す手続き中との期待はずれの答え。
そして、隊士達の前で、この期に及んで、まだ名分だの手続きだの形ばかり拘っている
幕府連中に対し、こんなことだから不逞浪士になめられる、と怒りを顕わにする局長。

(局)「守護職は何をしておるっ、所司代は何をしておるっ、幕府は何をしておるんだーっ!」

局長のまるで鬼の様な形相は、そのまま怒りの大きさを表しているかのようでもありました。

一方、池田屋に集まった約30名の浪士達は、予定どうり今夜、新選組屯所を襲撃するこを決定、
しかし、まだ時間があるからと酒を注文、祝杯をあげることにします。
うーん、回天の大事を成そうとする前にお酒?
それって、酔っていても新選組には勝てると思っているわけですよね?
しかも、祝杯って?気が早すぎやしませんか?もしかして、なめてる?
でも、その気の緩み、油断が、彼らの命取りになったといえるかもしれません。
そうそう、この時、桂小五郎も来るはずでしたが、惣兵衛によると一度来たけれど、
まだ誰もいなかったので、また後で来ると出て行ったということでした。
そして、彼は結局、最後まで池田屋には姿を見せず、命拾いするのです。
いつも思うのですが、もし桂が池田屋にいたら、彼はこの日、命を落としたのでしょうか?
とすると、言うまでもなく、後の明治の世で活躍する木戸孝允は存在しないのですが、
でも、歴史は彼を必要とした、彼が池田屋に行った時、まだ誰も来ていなかったということが、
彼の運の強さだったのかもしれないと思えます。

さて、新選組に連絡が取れずじまいの山崎さん、それでも、自分に酌をしてくれているおよねに
上手く話を持っていき、浪士達の酒の支度を手伝うということで、彼らに近づく事に成功します。
商人らしい腰の低さで、酒を運ぶ山崎さん。
ただ、浪士の中にもそんな山崎さんを訝しげに見る者も。それは、松田重助。

(松)「よね、あの男は何者だ?」

(よ)「あっ、大坂の薬屋はんで、うちの知り合いどすさかい大丈夫どす。」   
                               あのう~実は、大丈夫じゃないんですけど…。

(松)「そうか。」      鋭いと思ったけれど、ここで簡単に納得してしまうところに詰めの甘さが。

けど、よかった~。山崎さん、またもおよねに助けられました。
余程、信頼をされているようですね。
でもね…そんな彼女にはこの先、悲しい出来事が待ち構えているのですが…。それはまた後で。

(松)「諸君っ!新選組の頭、近藤勇の首を三条河原に晒そうー。」

(全浪士)「おーっ!」   酒を飲みながら意気込む浪士達でした。

ですが、こうして彼らがのん気に酒を酌み交わしている頃、外では、やっと動いた幕府軍約3000が、
物々しい戦支度で、長州藩邸および池田屋、四国屋の一帯に万全の包囲網を敷いていました。
祇園会所の新選組のもとにも、続々と各所、各藩から配置についた、取り囲んだとの伝令が届き、
局長も副長もいよいよ会津も動き始めたと喜び合います。

ところが…。

(原)「局長、配置についた、配置についたと威勢はいいが、肝心の俺達の応援の方は
    どうなっています?」

珍しく鋭いことをおっしゃる原田さん。(おっと、失礼。)
そういえば、幹部達がみな浮かぬ顔をしていると思いましたが、みんな同じ疑問を
持っていたからですね。

(土)「そうだあ、幕府は四国屋、池田屋周辺を遠巻きにするだけで、高みの見物かっ!」 

(沖)「山南さんの言った通りだ。新選組と長州を喧嘩させる気だ。」 

(永)「その挙句、両方潰れっちまえばいいって魂胆かっ、ちきしょうっ!」 

(土)「これでもし、俺達が勝ったら、終わった後でご苦労さんかっ!
    けっ!死んだ芹沢の悪口は言えねぇなっ!」 

結局、応援はあてには出来ない、いいえ、応援なんて全くないということでした。 

(局)「よぉーし、これで俺の気持ちもサッパリとした。
    あははははは…、なまじ人に頼ろうと思ったのが間違いだったのだ。
    新選組は、もともと一人なのだ。」

   「土方、お前は25名連れて四国屋へ行け。俺は4人連れて池田屋に行く。」 

なぜこの人数割りなのか?
やはり、山崎さんの連絡による四国屋が本命と見ているからでしょうか?

(土)「5人でっ?それは無茶だっ!」    確かに。

(局)「その代わり、選ばせてもらうぞ。」 

そう言って局長が選んだのは、沖田、永倉、藤堂、谷周平の4人。
周平の腕はわかりませんが、いずれ劣らぬ剣の使い手3人を選んだのは、
それでも万が一のことを考えてのことだったかもしれません。

応援はないと覚悟の上で、わずか30名、二手に分かれて斬り込むことを決意した新選組。

(局)「新選組、出陣っ!」 

(全隊士)「おーっ!」  

近藤局長の力強い出動命令に、勇ましい雄たけびを上げる隊士達でした。    

こうして、新選組は、四条河原町を三条に向かい進撃を開始します。

(土)「近藤さん、本当に5人で大丈夫か?」     

(局)「うん。トシっ! またあの世で会おう。」

(土)「ああ。」

逆方向へと分かれる時の、この近藤さんの言葉がいいなあ。
それと、池田屋へ向かって堂々と歩く5人の姿も、すごく印象的。
とても頼もしく見えるのは、私がこれから起こる事を知っているが故でしょうか?

そして、エンディングナレーション。

 元治元年六月五日、

 明日は祇園の本祭りを迎える京の都は、ひどく蒸し暑かったという。

 折から、町に出盛る人々の目を驚かして、新選組は出撃した。

 果たして、決戦の場は、四国屋か?それとも池田屋か?

 決死の覚悟で、三条小橋池田屋に向かったのは、

 近藤勇以下、その数わずか5名。

 新選組の名を後世に残した池田屋事変は、

 この時、まさに幕を切って落とそうとしていた。


さあ、新選組と長州派浪士の歴史に残る戦いは、もうすぐです。                               

新選組始末記 第10話 5
第10話 「池田屋事変 その二」5

長州派浪士達がどんどん集まってきて、集結場所は、ここ池田屋とわかった山崎さん、
さっき「四国屋」と記した繋ぎを出してしまった後なので、大変な事になったと、
すぐに連絡を取ろうと窓の下を見ますが、なんと肝心の渡辺さんの姿がどこにもないっ。
実は、先ほど店先の掃除をしていたおよねに、ここより大通りの方が貰いが多いだろうと言われ、
場所を移動してしまったのです。
そこで大弱りの山崎さん、慌てて外へ出ようと下に下りると、これまた運悪く、
ちょうど主人の惣兵衛が戸締りしているところ。
味噌おでんを食べに行くという口実で外に出ようとした山崎さんでしたが、
今日は二階で大きな寄り合いがあるので、このまま二階にいて欲しいと、
あっさり外出禁止を言い渡されてしまいます。

ここまで順調だった山崎さんの仕事でしたが、最後の詰めでこんな事になろうとは…。
ああ~、もう少し早く外に出ようとしていれば…。
いいえ、渡辺さんがいつもの場所にいてくれたら…。
れば、たら、だなんて言っても仕方ないですが、それにしても、渡辺さんもいくら追っ払われたからと
いって、全く見えない場所に行ってしまうことはないでしょうに。
向かい側に移るとか、ほんのちょっと隣にずれるとか、少し動くくらいで良かったと思うのですよ。
そうでなければ、こんな風に繋ぎの役目が果たせなくなってしまうわけですから。
なのになぜ?どこへ行っちゃたの?渡辺さーん。

一方、祇園会所には新選組隊士達がさりげない様子で続々と集結、出動準備にかかっていました。
ほどなく土方さんもやって来ましたが、近藤局長は会津本陣へ行ったきり、まだ戻っていません。
そして、土方さんの手には既に山崎さんが「四国屋」とだけ記した例の紙が渡っていて、
浪士達は「四国屋」に集まると信じている様子。
あーん、違うのですよ、副長~。それは、最初に集まった場所で、本来の場所は池田屋なんです。
山崎さんも何とかそれを伝えたいのですが、その手段がなくて困っているんですよー。
ああ~、教えてあげたいよ~。

そして、その頃、局長はというと、会津の田中、手代木両名を前に、何を躊躇しているのか、
今、奴らを一網打尽しなければ、京都は火の海になる。
しかも今日は祇園祭の宵山で、罪のない人々がどれだけ犠牲になるかわからない、
即刻決断の上、出陣をと声を荒げ、訴えていました。
しかし、田中様は、即刻出陣といっても、幕府が兵を動かすということはそれ程簡単ではない、
朝廷にも届出なければならぬ、などと言い、どうもすぐに動こうという気持ちはない様子。
そこで今は、朝廷に届けるの評定だのと手続きに時をかけている場合ではない、ならば、
1000人が無理なら500の兵を貸して欲しい、この近藤が先陣を承わると言っても、田中様は
浪士身分のまま、幕府の正規兵を指揮するというのか?そんな例はないぞと言う始末。
問題はそこではないのに、やっぱり、武士は武士の考え方なんですね。

局長は、それでもめげずに例があろうがなかろうが、今は非常の時だから、それに応じた対処を
すべきであり、今は、守護職、所司代、奉行所、見廻組そして新選組の全てが気を一つにして
勢力を上げて不逞浪士を捕らえることがすなわち、幕府の威力を長州に示すことになると
強く訴えるのですが…よい返事は一向に返ってきません。
業を煮やした局長、とうとう「ええいっ!おわかりにはならぬのかっ!」と怒鳴ってしまいます。

(田)「わかっておるわいっ!そのくらいの事はっ!しかしのう、お主ら浪士組と違って、
    藩が兵を動かすためには、それなりの名分と申すものが必要なのだ。」

(近)「まさか、我々の報告を疑っているわけではありますまいな。」 

(田)「疑ってはおらんよ。しかし、いささか突飛じゃのう。御所に火をかけて、帝を奪い奉るなどと。
    近藤さん、長州の本当の狙いは、新選組屯所の焼き討ちだけではないのかのう?」

いいえ、田中様、それは立派に疑っているという事ですよ。
そうですか、すなわち、田中様の考えはここに集約しているわけですね。
おそらく、曖昧な情報で兵を動かして、いや間違いだったでは済まされないので、
できればまだ出陣はしたくない、というのが本音かと。

(近)「田中様っ!しかと分かりもうした。 しかし、あと一時待ちましょう。
    それまで待って応援のない時は、我々新選組だけで出動致します。ごめんっ!」

もう、これ以上言っても無駄とばかり、会津を後にする局長でした。

さて、ところ変って屯所では、留守を任された山南総長とおすみさんが、甲斐甲斐しく病人のお世話。
山南さんの優しい人柄が、こういったところにも現れているようです。
と、そこへ玄沢が、おすみさんを連れ戻そうと思ったのか、乗り込んできます。
ところが、ちょうど出かける間際の原田さんが出くわし、玄沢に余計な事を言ってしまうのでした。

(原)「おいっ!ヤブ医者。」

(玄)「なんや、新選組。」

(原)「沖田がなあ、こう言っていたぞ。おりゃあ、身体が悪い。
    どうせ死ぬんならその時にゃあ、気にいらねぇ奴を出来るだけ道連れにしてやるんだ、とな。
    お前もあんまり娘いじめているとそうなるぞぉ。」 
      
ああ~、勘弁してよ~、原田さん。よりによって玄沢になんて事を。
沖田さんがそんな事を言うわけないし、冗談にもほどがあるでしょう。     

(す)「原田はんっ!そんな冗談言わんといておくれやすっ!
    沖田はんは、そんなこと言わはらしまへんっ!」

(原)「嘘だ、嘘だ。すまなかった、すみさん。おいっ、行こうっ!」

おすみさんのすごい剣幕に、原田さんもさすがにうろたえた様子で、謝るとすぐに去ってしまいます。
うううっー、原田さん、あまりにも無責任すぎっ!

(玄)「沖田の奴…、本当にわしを殺すかもしれん。」
                       呆然とした様子で真顔でつぶやく玄沢。
                       原田さんの言葉を本気に受け取ってしまったみたいです。

(す)「嘘どすっ!お父はん、今のは冗談どす。」

まったくもう、なんてことを言ってくれたのでしょう、原田さん。
本人は軽い冗談のつもりだったかもしれませんが、普段沖田さんを良く思っていない玄沢が
本当だと思う事は十分にありうることで、余計に悪い印象を持たせる事になってしまいました。
これでは、沖田さんとおすみさんの仲を更に裂くことになってしまうのに…。ああ…。
言って良い事と悪い事、言って良い相手と悪い相手がいるというのに。
自分の知らないところでこんな事になって、沖田さん、ほんと可哀想。

さあ、これから新選組は、池田屋の浪士達は、会津をはじめ幕府連中は、いったいどう動くのか?
どうなっていくのか? 気になるところですが、続きはまた次回で。
                                                   つづく・・・



新選組始末記 第10話 4
第10話 「池田屋事変 その二」4

床に臥した隊士達で溢れている部屋。
様子を見に来た沖田さんに明らかにフラフラ、立てそうもない状態なのに、
自分はどこも悪くない、新選組が大出動すると聞いたから連れて行って欲しいと懇願する隊士。
そんなことはない、いつもの巡察だから心配するな、となだめる沖田さん。

と、そこへ、おまささんとおすみさんが、手伝いにやってきます。
おまさんを見て嬉しそうな顔をした沖田さんでしたが、おすみさんが一緒とわかると
一瞬で顔色が曇り…。
しばらく彼女を見つめるも、無言で目を逸らしてしまうのでした。
おまささんが言うには、具合の悪い隊士が沢山いても頑固な玄沢は来てくれそうもないので、
おすみさんに無理言って来てもらったのだとの事。
うーん、これは嘘ではないでしょうが、半分は彼女を沖田さんに会わせるために             
おまささんが、わざと連れて来たのでないかとも思えます。

そんな中、今度はさっきと違う隊士が、布団から起き上がりながら、
私はすっかり良くなったと、沖田さんに呼びかけます。
が、言ったとたんに崩れ落ちそうになる始末。
そこで彼を支えたおすみさんの手を無言で離させ、「駄目だ、しっかり養生しろっ。」と
自分が寝かしつける沖田さん。
まるで、おすみさんを無視するかのような行動は、なんなのか? 
わかるようなわからないような…。
その後、調べ書きを見ながら、出動できる隊士は、30人と渋い顔の沖田さんですが、
急に咳き込み始め、その様子を見ていたおすみさんは、その場でとんでもない事を
言ってしまうのでした。

(す)「沖田はん。沖田はんこそ、そんな身体でとっても出動なんかできしまへん。」

(沖)「すみさん。」

(す)「他のお人を止めはる前に、沖田はんが真っ先に寝てておくれやす。」   
                                   おやまあ、隊士達の前で、なんてことを。

それまでうなっていた隊士達も、誰もが驚き顔で、視線は沖田さんに集中。      
すぐにおすみさんの手を引き、外に連れ出す沖田さん。かなり怒っている様子。

(沖)「隊士の前であんな事を言ってもらっちゃ困る。私は副長助勤だ。責任があるっ!」  
                                              ごもっとも。

(す)「けど、沖田はんは普通の身体と違います。
    沖田はんは、自分の身体のこと、よう知ってはりますやろ。」    それはそうでしょうけど…。

(沖)「男には身体のことを言ってられない時がある。今はその時なんです。女にはわからない。」  

(す)「わかりまへんっ!ほんまにうちにはわかりまへん。ただ、うちは心配どす。    
    沖田はんこそ、うちの気持ちを知らはらへんのどす。」             
                                       
(沖)「すみさん、はっきり言っておく。
    私はどんなことがあっても、新選組は辞めない。死ぬまで辞めない。
    あなたのお父さんにどんなに嫌われても、私は新選組が好きだっ!」     

本当に新選組命の沖田さん。
その言葉に、おすみさん、もう何も言えません。
じっと見つめあう二人…。お互い、どんな気持ちだったのでしょう?

おすみさんの気持ち、わからないでもありません。
けれど、いくら心配だからといってあの場所、あの状況で、あんな事を言ってはいけませんよね。
怒られるのは、仕方ないでしょう。
まあ、おすみさんもまだすごく若いので、今で言うTPOを考えなきゃと言っても
無理なところはあるかも?
ただ、そうは思っても、正直、沖田さんに自分の思いばかり押し付けてくるような彼女が、
ちょっと迷惑、面倒くさいと思ってしまうこと、しばしば。
それって、自分が年を重ねてしまって、乙女心がわからなくなってしまったからということ?
なのかもしれませんけどねぇ…。
彼女が大人の女性になるには、もう少し時間が必要と、もっと温かい目で
見てあげないといけないかな?

さて、古高の自白によって、新選組隊士はすぐに東奔西走、大活躍を開始。
でも、連絡を受けた京都所司代、町奉行、会津、見廻組もみんな先ずは寄り合いだと
すぐに動こうとしません。(今も昔もお役所仕事は同じ?)
局長は、寄り合い、寄り合いで夜が明ける、京都にいる幕府の連中は、これほどの大事を
何と考えているのだとご立腹。
そこへ沖田さんが、動ける隊士の人数を伝えにきて、更に厳しい顔に。

(局)「よしっ、それで、使える隊士の数は?」

(沖)「30人です。」

(局)「なにっ?30人っ?」   局長、ビックリ!

(沖)「はい。100人余りの隊士の内、50人が大坂へ出張中、残り50人の半分近くが、
    疲れと暑さにやられて動けません。」

(土)「疲れだの暑さにやられただのと何贅沢なこと言っていやがるんだっ!叩き起こせっ!」

(山)「そんなこと言うな。隊士は、夜も寝ないで精一杯働いたんだ。」 

総長、副長の考え方の違いはここにも。

(土)「近藤さん、幕府の及び腰は今に始まったことじゃねえ。
    いたずらに時を送っている間に、へたすりゃあ俺達も皆殺しに合う。出かけよう。」

(山)「出かける?どこへ出かけるんだ?」

(土)「言うまでもない。池田屋か四国屋だ。」

(山)「反対だっ。局長、古高が白状した事を諸処に知らせてから、既に一時以上経つ。
    守護職、所司代、奉行所、見廻組に至るまで未だに寄り合い中です。
    彼らは傍観するつもりなんだ。
    つまり、毒をもって毒を制するという狡猾なやり方だっ!そんな手に乗る事はないっ!
    向こうがその気なら、こっちもずるく行きましょう。」              で、どうしようと?

(土)「ずるく行こうなんて言葉が、山南総長さんの口から飛び出すとはなっ!」    
                                     確かにそうですよね。らしくない気が。

(山)「土方君、君は、私を揶揄するのかっ!」

そこで局長は、山南さんの考えにも一理あるとしながらも、幕府連中が高みの見物を
決め込もうとしている事は承知しているが、そうはさせない。
もともと長州の攘夷の考えには賛成だが、天皇を奪い幕府を潰そうなどという考えには反対だし、
しかも、それを京都に火をかけてやろうという乱暴は許さない、絶対に許さないとの強い決意のもと、
新選組の出動を命じます。
屯所の周りにも長州の目が光っているかも知れないので、気取られぬよう道場破りにでも行くような
芝居をさせ、三々五々隊士を出すようにと指示。集合場所は、祇園会所。

(山)「無謀です。たった30人で。」

(局)「これは、局長の命令だっ!従わなければ、局中法度に照らすっ!」  

驚くほど厳しい口調の局長、山南さんに対してというより、幕府連中に対する苛立ちが
口に出たのかもしれません。
と、次に局長の口から山南さんに対して出た言葉は、意外なものでした。

(局)「山南、お前には留守隊の指揮を任せる。病人ばかりで気の毒だが、
    場合によってはこの屯所にも長州は来る。頼むぞっ!」

おやまあ、ここで局長は、なぜ山南さんに留守を?
この作品では、明確な理由はわかりません。
出動に反対の彼を連れて行かない方がいいとの判断だったのか、
屯所が襲撃された場合に冷静な判断が出来る幹部をと考えた時、
血の気が多い他の連中より彼が適役と考えたのか?
人数が足りない中、大幹部で北辰一刀流免許皆伝の山南さんを連れて行かない理由には、
もう少し説明が欲しかったです。
ですが、山南さんが池田屋襲撃に参加していない事は史実ですし、その理由にも諸説あって、
はっきりしていませんから、ここでは、いつものようにあまり難しいことは考えないことにしましょう。

そして、これから会津に応援を頼みに行くと席を立つ局長。
では、いったいどこを襲うのか?
出て行く前に土方さんに池田屋と四国屋のどちらを襲うのかとの問われ、
山崎さんの報告を待ち、その上で会所で決めるとした局長でした。

その後、皆が退席した後も一人、じっと座っている山南さん。
そんな山南さんに「山南さん、しっかり屯所を守ってくれ。」と声をかける土方さん。
驚くほど静かな、でも力のこもった声に意外そうに伏せていた目を上げると、
そこには自分を見つめる真剣な顔。
その眼差しに納得したように力強く頷き「心得た。後顧の憂いなく、戦ってきてくれ。」と山南さん。
今度は土方さんがしっかりと頷いて…。
いつも対立している二人が、心通わせた瞬間だったと思います。
土方さんだって、本当に山南さんを疎ましく思っているのなら、ここでこんな風に
声をかけたりはしないと思うのです。
実際は、こうして歩み寄る事ができる二人なんです。決して憎みあっているわけじゃない。
だから、これを機会にこのまま少しでもお互いの距離を縮めていってくれたら…
そうしてくれたら良かったのに…。
この場面を見ると、それができたはずの二人だったと思えてなりません。

さて、こうしている内にも池田屋にはゾクゾクと長州派浪士達が集結し始めていました。
ここで、山崎さんも集結場所は四国屋ではなく、ここ池田屋と確信に至るのですが…。
今まで順調だった探索に、ここに来て狂いが生じる事になろうとは…。
この続きは、また次回で。
                                                 つづく・・・

新選組始末記 第10話 3
第10話 「池田屋事変 その二」3

どのくらい時間がたったのでしょうか?
床に下ろされ、下ろされたといっても、上半身だけ床につき、血だらけの足の縄はまだ解かれず、
副長が吊り上げている状態(釘とろうそくはもう無しなのは、ほっ)なのですが、
気を失っている古高。
永倉さんに顔に水をぶちまけられて気がつきます。

(土)「おいっ、御所に火を点けるだと?風の強い日に?いつだ?いつ点けるんだっ?」

そう問う副長の顔には、びっしょりの汗。

(古)「ろ、く、が、つ、の…」  息も絶え絶えに答える古高。 

この二人の様子からも、あれからどんなに凄まじい闘いが繰り広げられたかが
分ろうというものです。
でも、副長の責めは、まだまだ続くのでした。

(土)「六月? 六月のいつだ?」

(古)「はつかっ。」         蚊の鳴くような声。

(土)「聞こえねぇよぉーっ!」   持っている縄を引き、足を高く吊り上げる副長。
                     傷ついた足だから尚更、苦しくないはずがありません。
(古)「六月二十日だぁ…」   

(土)「よぉし、で?その後何をするんだ? えっ?何をするんだっ?」

(古)「驚いて参内する中川宮と会津を…」

(土)「おいっ!中川宮と会津をどうする気だっ?」    詰め寄る副長。

(古)「斬る…、殺す…。」

(土)「それで俺たち新選組には、新選組には何をする気だっ? えっ?何をする気だよっ?」

(古)「屯所を焼き討ちし、皆殺しにする…。」

(土)「俺たちを皆殺しだと? バカ野郎っ!
    それで?おめぇの仲間が今日集まる場所は? 場所はどこだーっ?」

(古)「くぅぅぅー、しらっ、知らんっ。」

(土)「知らぬはずがねぇ。そこまで喋ったんだ。吐けよ、全部吐けーっ!」

(古)「・・・・」

(土)「おい、古高っ!場所はどこだ。そらー、吐けーっ!」

(古)「木屋町のし、四国屋か、三条小橋の池田屋…」

(土)「池田屋だ?この野郎っ!まだ俺達を振り回す気かっ! どこだーっ?」

こころざし高い古高も、新選組鬼副長の想像を絶する責めには敵わなかったということでしょう。
ここまで白状させられ、限界とばかり気を失った姿は、本当に痛々しくて…。

(土)「はあ、はあ、これだけわかりゃ、良いだろう。傷の手当してやれ。」

この間、ただ黙って見ていた永倉、原田の二人に指示して、蔵を出て行く副長。
わぁ、副長のこういうところ、やっぱり好きですよー。
自分も疲労困憊だろうし、局長にも早く知らせようという気持ちの焦りもあるはずなのに
傷の手当に気が回るところがね、やっぱりいいなあ、優しいなあって思うのですよ、ハイ。

こうして、長かった二人の壮絶な闘いは、副長に軍配でやっと幕が下りたのでした。
この土方さんが古高に対して行った拷問は、新選組好きなら誰もが知っている話ですが、
映像でこんなに細かく描写したのは、私の知っている新選組作品では、この作品以外ありません。
TVでここまでやっていいのだろうか?と心配になるくらいのリアルさは見事でした。
この作品の見どころの一つと言えるのではないかと思います。

ところで、この前代未聞の拷問に耐える古高俊太郎を演じたのは、亀石征一郎氏。
今となっては無理かもしれませんが、この拷問シーンの撮影裏話が聞きたいと思うのは
私だけでしょうか?
どのように撮影したのかはわかりませんが、かなり長い時間、本当に逆さ吊りにされたまま
だったのではないかと想像します。さぞ、大変だったのではないでしょうか。
現実には足に釘、ろうそくはないにしても、長時間逆さ吊りにされただけで本当の拷問に
匹敵するような辛さではなかったかと思えますが、そんな中での真に迫る演技は、
とても素晴らしかったです。

また、その後の足だけ吊り上げられる辛い姿勢での土方さんと二人だけの長ーいシーンの
演技もさすがで、役者魂というものを見せてもらった気もします。
この方、確か「特別機動捜査隊」の刑事役(良い人)で活躍されていたと思いますが(古いよ~
私には、水戸黄門や暴れん坊将軍など時代劇での悪役のイメージの方が強烈です。
かなりの男前なのに、だからこそなのか、いつ見ても残忍非道な香り漂う憎々しさで、
なんて嫌な奴なの!と思った事は数知れず。
ほんとに悪役には絶対に欠かせない名優のお一人と思います。

さて、話を戻すと、蔵を出た副長は、早速、古高が自白した内容を局長に報告。
しかし、浪士達が集結するのが今日とわかっても、肝心の集結場所が四国屋か池田屋の
どちらかはっきりしない上に、隊内では、隊士の半分が大坂出張で人数が足りないところ、
残っている隊士も暑気あたりと食中毒で動けない者続出で、状況は最悪なのでした。

それでも強気の近藤局長は、

(局)「トシ、ここは新選組の正念場だ。人数が足りなかろうと逃げ出すわけにはいかぬ。やろう。」

そう言って、ちょうど来た沖田さんに「今隊士が何人使えるか、正確に調べてくれ。」と指示。
ここで、土方さんですが、いつもの土方さんなら、局長の言葉に一も二もなく賛成し、
「よし、やろう。」とでも言いそうなのに、この時は何も言わず、どちらかといえば不安そうな表情を
浮かべていたのが、ちょっと意外でした。
この作品の近藤さんは、土方さんよりも強引で、強気な部分も随所に見られる気がします。
時には鬼の副長も驚くような決断、行動をする鬼局長です。

古高が自白した彼らの計画は、宮部が四国屋で話していたように既に変更されています。
しかし、この日、池田屋に集まる事だけは変更されなかったことで、歴史に残る大事件が
起こることになりました。
宮部さん、もし、古高が口を割るかもしれないと察していたなら、彼が口に出しそうな
四国屋と池田屋は避けるべきではなかったかという気がしますが・・・。
少し新選組を甘く見すぎたかもしれません。

さて、新選組はこの難局をどう乗り越えるのか?
まだまだ話は長いのですが、続きは次回ということに。
                                                 つづく…
                                                     

新選組始末記 第10話 2
第10話 「池田屋事変 その二」2

(永)「こらぁ、あの書類はどういう意味なんだよ。言っちまえよ、こらあっ

永倉さんに竹刀で激しく叩かれても、歯を食いしばり、何も言おうとしない古高。
責める方も責められる方も汗だくで、拷問の凄まじさが伝わります。
でも、これはほんの序の口にすぎませんでした。

そこに副長が現れ…

(土)「どうだ?吐いたか?」         なんか妙に落ち着いていてるのが意外。

(永)「いやあ、駄目です。名前だけは何とか白状しましたが。」  

おや?まだ何一つ話してはいないのかと思いましたが、名前だけは言ったのですね。
実は、この時までこの男が古高俊太郎だという事は、新選組の誰も知らない事でした。

(土)「名前を? ほぉ? どこの何て野郎だい?」 

(永)「こいつがあの近江の国、坂田郡の古高俊太郎だそうです。」 

ここで永倉さんが「さかたごおり」と言っている点についてですが、
調べてみると、古高は同じ近江でも本当は栗太郡の出身だったようです。
なぜこうなったのか、製作側の単なるミスだったのかはわかりませんが、
近江の志士に違いはないということで、ここはこのままスルーしましょう。

(土)「古高? こいつがか?
    古高っていやあ、梅田雲濱なんぞと付き合いがある大物だ。
    それじゃあ、なかなか白状しねぇなっ!」 

(土)「名うての古高さんには、こんな生ぬるいやり方じゃ駄目だ。なあ? なあーっ?」 

そう言って古高の頬をバシッと引っぱたく副長。ううー、痛そう。
でも、副長の言う生ぬるくないやり方っていったい…?
それは、次の指示ですぐにわかることになります。

(土) 「よしっ、足縛って逆さに吊るせっ!」 

(隊士)「はっ。」

すぐさま逆さに吊るされた古高。
ですが、次に土方副長が発した言葉は、誰もが驚くものでした。

(土)「よーし、いいだろう。おいっ、五寸釘とろうそくなあ、5、6本ずつ持って来いっ!」  えっ?

これには、さすがになんだ?という表情の永倉、原田両名。

(永)「土方さん、何をする気だ?」    誰もが聞きたい質問です。  

(土)「古高さんに燭台になって頂く。
    足の甲にぶっつり五寸釘刺してな、ろうそく立てるんだっ!」   ひぇぇぇぇぇー。

(永)「そこまでやらなくても…」        うん、普通はそう思いますよね、永倉さん。 

(土)「いや、やる。大体、お前達が手間取り過ぎる。いつまでかかっていやがるんだいっ!」  
                                   まあ、それも確かではありますが。
   「おいっ、釘とろうそくっ!」
  
(隊士) 「はっ。」

(土)「どうだい? 燭台にされて蝋がタラタラ身体を這う前に言っちまわねぇか?」 
                                   な、なんというセリフ。凄すぎる~。

こう最後通告をするも、やはり古高には全くその気は無いよう。
言ってしまいなさいよ、じゃないと大変な思いすることになっちゃう。
土方さんは脅しなんかじゃなく、本当にやっちゃう人なんですから。
なのに、ああ~、釘とろうそくを取りに行った隊士が戻ってきて、もう手遅れです。

(土)「足の甲に釘刺せ、突き抜けたらろうそく立てろっ!」  きゃあ~。 

恐ろしい指示に動揺する隊士。
それでも副長の「早くしねぇかっ!」との声に怯えながらも「はっ。」と従います。

震える手が釘を突き刺すと同時に発せられる絶叫…
「ぎゃあぁぁぁー、ぎゃあぁぁぁぁー、ううっ、くっ、くっ、くっ、はっ、はあ、はあっ、ぐゎあぁぁぁぁ…」
苦痛に歪む顔、汗びっしょりで激痛に耐える姿は凄まじく、
その苦しさ、痛さがこちらまで伝わってきそう。
そんな古高に「痛ぇのか?痛かねぇやな。」 顔色一つ変えずに言う副長。

そして、「火つけろ。」と究極の指示。
「何を震えていやがんだっ!さっさとつけろっ!」
この指示された隊士は、本当にお気の毒。 けど、頑張るんです、この人。
なんといっても副長命令。沖田さんや永倉さん、原田さんと違って、逆らえるはず無いですものね。
隊士の震える手によって、ろうそくに火がつけられると、とうとう見ていられなくなったか、
止めようと身体が動いた永倉さん。
が、飛び出そうとしたところをすかさず止めた原田さん。
さすがの永倉、原田両名も、まさかこんな光景を目にすることになろうとは
想像もしなかったことでしょう。

目をひん剥き、苦痛に耐える古高。
逆さに吊るされた古高の足には確かに火のついたろうそく…。
そのままズバリの全身を映すカメラアングルは、本当に凄いです。

「ああ、見てるのが辛かったら出てってもいいんだぜ。」

永倉さん、原田さんにそう言うと副長の責めの始まりです。

「さあ、古高さんよ。ろうそくはたっぷりある。
 しゃべりたくなかったら、ずっと黙ってたっていいんだぜ。」  うううー、こわいよ~。

逆さ吊りの身体ををぐるぐる回し、「言えっ!長州は何やる気だっ?」
それでもまだ首を激しく横に振って、抵抗し続ける古高は、かなりのつわもの。
ですが、副長の激しい責めにいつまで彼の気力、体力がもつか?
まさに鬼副長と古高の根競べとなりました。

こうした拷問が行われている頃、池田屋では主人にもすっかり信用を得た様子の山崎さんが、
およねから泊り客達が急の寄り合いで四国屋に出かけているとの情報を得て、
「四国屋」とのみ記した紙を物乞いに扮した渡辺さんに託します。

一方、木屋町にある旅籠四国屋では、確かに宮部を始め長州派浪士たちが集まり、
古高捕縛についての善後策を検討していました。
宮部は、桂小五郎と相談してきたと兼ねてから計画していた回天の秘策の変更を告げます。
その内容とは、
1.今宵、壬生の新選組屯所を焼き討ちし、古高を奪還。
2.その上で朝廷に急行し、ぎそう伝奏の両公家を討ち取り、長州軍を京都に入れ、
  天皇を奪い奉る。
3.長州入洛の後は、中川宮、会津容保を処刑し、長州公を京都守護職に任ずる。
そして、改めて在洛同志全員の集結を命令するのでした。
果たして、その集結場所とは・・・。
       三条小橋 池田屋
宮部の口からはっきりと告げられました。
ここだけは、当初の計画と変更はしなかったようです。
早速、各方面に散らばる浪士達。
二人だけになると、松田重助が宮部に問います。

(松)「先生・・・、古高君は本当に大丈夫でしょうか?」

(宮)「わからん。いざとなると人間は弱いもんだよ。
    そのためにも、今夜、新選組を急襲するのだ。」

同志達の前では、吉田稔麿の新選組は手段を選ばないというから、
古高が自分達の計画を白状するということはないか、という不安に対し、
その心配はわかるが、浪士といえども我々はこころざしの志であるから、
古高は拷問などには屈しないときっぱり断言した宮部でしたが、
実のところは、彼も不安を感じているということのようです。

それにしても、本当に大それた計画。
こんな事が行われたら大変どころじゃありません。
しかも、実行は今夜とは。
土方さん、本当に時間がないですよー。早く、自白させなきゃ。
古高との闘い、いったいどうなったことでしょう?
                                        続きは次回で・・・


新選組始末記 第10話
第10話 「池田屋事変 その二」

元治元年六月五日未明…
近藤局長の命により永倉隊、原田隊は、肥後の宮部鼎蔵が居るであろう
四条の古道具商、桝屋に踏み込みます。
が、そこに居たのは桝屋の主、桝屋喜右衛門こと古高俊太郎ただ一人、
何やら書付を火鉢で処分している最中でした。

古高の手からかろうじて紙の切れ端を奪い取った永倉さん。
でも、読み取れたのは
 烈風の日に、中川宮と守護職…
 新選組は、軍神の血祭り…
そんな断片的なことのみ。なんのことだかさっぱりわかりません。

捕らえた古高に「これはどういうことだ、宮部や他の者はどこにいる?」と詰め寄るも、
彼が喋るはずは無く、ただ無言で不敵な笑みさえ浮かべたその顔は、かなり印象的。
そんな態度にこれ以上は聞いても無駄と悟った永倉さんは、古高のことはひとまずおき、
家中をよく調べさせます。すると、例の清水焼屋と他の店にも通じている地下道、
それと多くの鉄砲や刀、槍等の武器が発見されました。

屯所では、そんな彼らの帰りを待つ面々。
具合の悪い隊士の看病をする山南さん、瞑目し、静かに座す近藤さん。
縁側でじっとしている沖田さん。
その三人とは対照的に、ひどく暑そうにイライラした様子で、しきりに扇子を仰ぐ土方さん。
なんだか、あいつ等はいったい何をモタモタしてるんだ、という声が聞こえてきそう。
みんな永倉、原田隊の帰りを待っているのに変わりは無いのですが、
ここでもまた、それぞれの個性がはっきりわかるように思います。

さて、ほどなくしてお待ちかねの永倉、原田隊が戻り、古高は局長、副長達の前に。

(永)「桝屋の主です。何も言いません。」

(土)「何も言わねぇって済ましてちゃ困る。なぜ言わせねぇんだ?」  
                                  
(近)「宮部はどうした?」

(永)「既に地下道から逃げた後でした。
    あっ、それからこれは、この男が燃やしていた書類の燃え残りです。」

そう言って永倉さん、奪い取った紙を局長に渡します。
目を通し、何の事か分らんと局長。
その紙を手にし、古高の顔を見つめ、
「何も言わねぇって言ったな。」
と、今度は古高を見つめたまま胸倉を掴み、
「必ず言わせるぞっ!」と土方さん。         
すぐさま「よしっ、蔵へぶち込めっ!」と指示。    

すると、ここで、ちょっと予想外のことが。
いつもは控えめな総長さんが、珍しく歩み出て、

(山)「土方君、この男は私に任せてもらえないか?」 と持ちかけます。 が…

(土)「駄目だっ!あんたの取調べじゃ日が暮れちまうよ。」  おっと、土方さん、間髪入れず拒否。

(山)「土方君、君はまさかこの男を拷問に?」      いえ、そのまさかでしょう。

(土)「言うまでもない。」                    ほらね、やっぱり。

(山)「いや、いかん。新選組がそんなことをしてはいかん。」  なんか、山南さんらしいですね。

(土)「また始まったな。総長さんよ、時がねぇんだ。あんたとこんな言い合いしている間にも
    長州が何やらかすかわからねぇんだぜ。
    おいっ!早くその男を引っ立てろっ!」

ここにも土方さんと山南さんの意見の相違が顕著に表われています。
でも、山南さん、拷問はいけないと言いますが、ならばどんな手段で自白させるというのでしょう?
一刻を争うというこの状況で、有効的な方法があるの?
気持ちはわかりますが、ここはやはり、強硬手段もやむを得ないと思えますけど。

というわけで、結局、古高は山南さんではなく、土方さんの手に委ねられますが、
それが、古高にとって悲運であった事は、言うまでもありません。
やると言ったら絶対にやる鬼副長です。
山南さんのように甘くはないことは目に見えてますものね。
可哀想に古高さん、余程の覚悟が必要かと思われます。

蔵の中、永倉、原田両名の執拗な厳しい責めにも屈せず、依然、口を割ろうとしない古高。
さすがに武士の端くれ、見上げたものですが、そこへ土方副長が現れて…。
このあと、想像を絶する場面が繰り広げられる事になります…。
                                                 つづく・・・

新選組始末記 第9話 7
第9話 「池田屋事変 その一」7

山崎さんと仲間の監察方、会津の渡辺さんの連携で得た情報により
池田屋を張っていた永倉、原田、井上、藤堂さんら新選組幹部4人は、
宮部の供の男を捕まえ、桂から古高に宛てた密書を取り上げること成功します。
そこには、長州からろうそく1000本、6月5日に届く、とありました。
そこで、男から誰も知らない古高の事を聞き出そうとするのですが、
なんと、こともあろうに逃げられてしまいます。
もー、いくらなんでも幹部が4人もいて、これってドジ過ぎやしません?
ただ、幸いな事に逃げた男の前にはタイミング良く山崎さんが現れ、わざとそ知らぬ顔で
彼を匿い逃がし、密かに後を追って逃げ込み先を確認します。
と、そこは、例の四条にある古道具商桝屋でした。
やはり頼りになる山崎さん、こういったところも抜かりなしですね。
ああ~、なんて素敵なんでしょう、山崎さん。
今更ながらですが、仕事の出来る男の人は良いですねえ。

一方、屯所には既に戻った4人と副長、山南さん、沖田さん、
それから、島原から今戻ったばかりといった様子の近藤局長。
おお、局長さん、何食わぬ顔のようですが、帰り道襲われた事は話していないのでしょうか?
やっぱり、最後まで秘密なのかな?

いったい長州からのろうそく1000本とは、何なのか?
まずは、古高を探し出すのが先決との副長の言葉ですが、
ちょうどそこへ桝屋のことを記した山崎さんからの繋ぎが来ます。
そして、その場所がいつか浪士を追いかけて踏み込んだ清水焼屋の並びとわかり、
その辺一帯の店は全てグルだと叫ぶ土方さん。
そういえば、当時の京都では長州贔屓の人が多かったと聞きますから、
桝屋一帯の店が、長州に力をかしていたと考えても、おかしくないと思われます。

即、寝入りばなを狙って桝屋を急襲する事を決断、永倉、原田隊に出動命令を下した局長。
そこで、自分も行くと願い出る沖田さんですが、可哀想に
局長に「総司、わかっている筈だ、残るのだ。」と強く言われ、
ここは「はい。」と返事をするしかありませんでした。

桝屋を取り囲み、踏み込み準備にかかる永倉隊、原田隊。
屯所にはまた矢文、その矢を忌々しげにへし折る土方副長。  
                      あーん、ここがね、またカッコいいのですよ。
そんな姿を見つめる沖田さん、振り向くとカッと目を見開いた緊迫感溢れる局長の顔…。

そして、エンディングナレーション。

 密書に書かれた長州よりの ろうそく1000本とは、何を意味するのか?

 四条の古道具商 桝屋に潜むものは何者か?

 京の町を騒乱の坩堝に巻き込む火の手は、いつ、どこに上がるのか?

 元治元年夏、迫り来たる風雲の兆しに

 近藤、土方達は、身震いするような高まりを覚えていた。


さあ、次回は、古高捕縛など緊張感溢れる場面も多くなり、ますます目が離せなくなります。
どんな話の展開となりますやら。
古高の運命は?山崎さんの活躍は?
ちょっとだけ言いますと、古高さんはとってもとっても大変な事に…。 そこが見どころ。

ああ~、またまたこの第9話もかなり長くなってしまいましたー。
いつもながらの言い訳ですが、なんとか上手く短くまとめたいとは思うものの、
生来の文才の無さは如何ともし難く、どうも私には無理のようで…。
この調子で進めるしかない私ですが、それでもお付き合い頂けるという方は、
今後とも何卒よろしくお願いします。
26話までの道のりは、まだまだ遠~~いですが、頑張りますので。

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