おもに新選組について、他自分の好きな事、日々感じた事など気の赴くままに綴ります。

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新選組始末記 第4話 2
第4話 「土砂降りの夜」2

雨の中、沖田さんがやって来たのは、おすみさん親子の家。
「こんにちは!」 とっても明るい声。
どうした、けが人は断るぞ、と先手を打つ玄沢でしたが、
今日は自分の身体を診てもらいに来たと言う言葉に納得。
すると、玄沢は急におすみさんを使いに出してしまいます。
雨が降っているというのに、せっかく沖田さんが来たというのに。
でも、父親の言いつけに素直に従うおすみさんでした。

「先生、どこが悪いんでしょうか?」

「労咳かも知れんなぁ・・・」 
驚いたとうよりも、一瞬時が止まったかのような表情の沖田さん。

「労咳?」

もし、労咳ならあとどの位生きられるのか?と問う沖田さんに
人間の命は天が決めるのだからわからない、と答える玄沢。
確かにそうかもしれません。
運命とは、人の命とはわからないものです。
この病の沖田さんよりも先に、沖田さんが大好きな人達がたくさん旅立っていくことを
この時の2人はまだ、知る由もありません。

「・・・」

言葉が出ない沖田さんに、更に追い討ちをかけるような頼みを玄沢は口にします。

「もう、すみには会わんで欲しい。」

「私が労咳だからですか?」

「違う、新選組だからだ!」 

病ならば、たとえ労咳でも治る可能性はあります。
でも、こう言われてしまっては・・・もう・・・。

「わかりました、そうします。」 

そう答えるしかなかった沖田さんの心中は、いかばかりだったでしょう?

「ありがとう・・・」深々と頭を下げる玄沢。

「先生、お世話になりました。」

「他の人達とは違うんや、命を大切になあ。」

「はい。」 辛さをこらえ、笑顔で答える沖田さんが切ないです。

初めにこの家に入ってきた時のような心からの笑顔とは違う笑顔。
もう、あんな明るい笑顔は見られないのでしょうか?
そしてその帰り道、使いを終えたおすみさんと出会いますが、
何も語らずだだ会釈して去ります。
何も知らず、不思議そうな顔で見送るおすみさんもかわいそう・・・。

さて、慰労会へ向かおうと席を立つ幹部連中の中、
近藤局長だけが沖田さんの様子のおかしさに気づきます。

「総司、どうかしたか?」

「いえ、別に」

「そうか、それならよいが。」

沖田さんが部屋を出て行く姿を見て、
「総司は、新見を斬ったことからもう立ち直っている。」と土方さん。

「うん?いや、そのことではない。」

「じゃあ、何です?」怪訝そうな土方さん。

「俺の思い違いだろ、行こう。」

さすが近藤さんですが、ここは土方さんも気づいてあげてよーと思いましたねぇ。
なんで、気づいてあげないのよ、もう。といった感じでしたー。 

角屋で始められた宴会、大演説を始める芹沢。
会津が報奨金を出すのが遅い等々、言いたい放題、既にだいぶ酔っている様子。
近藤さんがなだめ、おとなしくなりますが・・・。

一方、お梅さんは、芹沢が帰ってきた時の為にと八木さんにお酒を分けてもらいに行きます。
すまなそうにするお梅さんに、どうぞ、どうぞとあくまでも優しい八木さん夫妻。
ここでのお梅さんは、けっして厄介者扱いではありません。
それでもお酒を手に「すんまへん」と誰にともなく頭を下げるお梅さんなのでした。
おまささんにお茶を勧められ、しばし楽しそうに昔話をするお梅さんでしたが、それもつかの間、
この後に彼女を襲う過酷な運命を思うと、やりきれない思いでいっぱいになります。
この日は、そう、9月18日なのですから・・・。

そんなお梅さんをよそに、芹沢はお梅さんからいつか教わった京の道を覚える歌を歌いながら、
上機嫌で大はしゃぎ。と思いきや、突然「やめろっ!」と怒鳴り、場をシーンとさせる身勝手さ。
なんて気まぐれでしょう。今に始まったことではありませんけれどね。
そして突然、近藤さんに
「会津はまだかっ?」と矛先を向けてきます。

さあ、ここから先が、この回の重要なポイントを占める場面となっていくのですが、
芹沢が切ったこの口火が、どんな結末をもたらすことになるのか?
その続きは、次回に。
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新選組始末記 第4話
第4話 「土砂降りの夜」

会津の重役田中様に、心を許るせる人間と重要な話をする場所にしているという舟に呼び出された
近藤局長は、在京の各藩から苦情が殺到し、会津藩ではもはや支えきれないので、
芹沢を何とか出来ないか、と打診されます。
もっとも新選組が元の浪士組に戻るというなら話しは別、との但し書きを添えられて。

 (近) 「それでは、芹沢を始末しない時は、新選組の会津藩預かりを解くと?」

 (田) 「うーん、お主には気の毒じゃがなあ。
      いや、しかし、わしはの、芹沢を始末せいと命じておるわけではないぞ。
      それは、お主自身が考えることじゃ。」

あ~、これぞ、役人といった感じですねぇ。しっかり逃げ道を考えている。いやらしいなぁ。
そして、この後、更にどうして近藤さんが芹沢を庇うのかがわからないと続ける田中様ですが、
なお、しばらく考えさせて欲しいと言う局長。
う~ん、局長の考えがどこにあるのか、ここは私にもよく理解できません。

 (田) 「考えるのは良いがな、もはや時はないぞ。
      近藤さんっ、あんたは今や新選組を選ぶか、芹沢を選ぶかじゃ。
      あんたと芹沢の話をするのも、これが最後じゃな。」

圧力の何ものでもありませんね。
さて、近藤局長、いったいどうするつもりでしょうか?
外は、激しい雨。

一方、当の芹沢は、部屋で寝転び、お梅さんに手の爪を切ってもらっています。
京の道を覚えるわらべ歌を歌いながら爪を切るお梅さん。
それは何だと問う芹沢にその歌を教えたりして、ちょっと楽しそう。    
でも、歌っている内に段々と声が小さくなり、またとても寂しそうな表情に・・・。
お梅さん心の内には、どんな思いがよぎっていたのでしょうか?

そんな一時もつかの間、芹沢は急に飲みに行くからとお梅さんにお金を無心します。
最近は、近藤さん達がうるさくて強請もできないとのこと。
そして、お梅さんが芹沢から貰った小遣いを貯めた僅かなお金を取り上げてしまいます。
小遣いをくれる優しさとそれを平気で取り上げる身勝手さを併せ持つ芹沢。
お梅さんもお金は無いと言えばいいのにと思いつつ、出してしまうのがこの人なのだなあと
思いました。そんなふうに優しく、そして哀しい女性・・・。
お金を得た芹沢は、平山、平間、野口に飲みに行くぞと声をかけますが、
平山、平間は女を連れ込んでのお取り込み中。
そこで出てきた平山に言う芹沢局長のセリフが、また面白いです。

「貴様ら、昼間っから屯所に女を引きずり込んでなんだっ!」

「それでなくても近藤達が俺を狙っている。口実を与えるなっ!こい!」

あれれ~、芹沢局長、自分の事は棚に上げてよく言えたものですよね。
でも、自分が狙われていることはよくわかっているご様子。
ですが、それならば本当はもっと用心すべきでした。
その後の展開を考えたら、未防備すぎたとしか言いようがありません。

それはさておき、試衛館連中が集まっている部屋。
そんな芹沢達の姿を見て、怒り心頭の永倉さん。

「土方さん、いったいどうするんだ?」と投げかけますが、

「俺に聞くな。」 いつになく気のない返事の土方さんです。

「このままでは新選組は、また浪士隊に逆戻りだ。局長にはそれがわからないのか。」

と、そこへ永倉さんの声が聞こえたかのようにタイミングよく戻ってくる局長。

 (土) 「近藤さん、田中さんの話は?」

 (近) 「いつもと同じ、芹沢の事だ。」

 (土) 「その顔じゃ、あんたの返事も同じだな。また考えさせてくれと言ってきたんだろ。」
     「近藤さん、何の為に新見を始末した。弱気になったのか?」

ここで、近藤さんが芹沢の始末に対し会津に待って欲しい、と言っている理由が明らかになります。

 (近) 「違う。新選組は結成してまだ半年だ。
      今の内から隊の最高幹部の間がぐらついている事を示せば、
      隊士に与える影響が心配だ。それに…。」 

 (土) 「それに、何です?」

 (近) 「いや、隊の泥はすべて芹沢が被っているような気もするのだよ。」

 (土) 「隊の泥?」

 (近) 「そうだ、例えば金策だ。当然必要な隊士達の飲み食いの金や衣服。
      いや、早い話がお前達の着ているその着物、隊士達の制服、旗など、そのほとんどが
      芹沢が調達した金で賄われている。芹沢だけ責めるのはどうかなあ。」

 (土) 「近藤さん、金策は俺達もやれるだけはやった。今、そんな事を考える時ではないでしょ。
      会津は、毎日のように芹沢の始末を促している。今やらずにいったい、いつやるんだ。」

 (全) 「局長!」

 (近) 「芹沢にもう一度だけ機会を与えてやりたい。
      それに、新見を始末したばかりだ。その反応がどう出るか、それも知りたい。」

 (土) 「近藤さん、あの芹沢は変わりませんよ。」

ああ~、近藤先生、そんな考えをお持ちだったのですね。
それで、会津への返事にも納得かも。
でも・・・でもね、正直どこまで人が良いんだろう、と言いたくなりますね。
ですが、この優しさがあるからこそ、皆がついて来るのかもしれません。
これが、人徳なのですね、きっと。

けれども、こんな近藤局長の思いは、その日の夜にガラリと変わることになってしまいます。
その夜は、会津からもらったお金で隊士達の慰労会が催されることになっていました。

  侘しい秋の雨が、やがて荒々しく叩きつけるような激しい雨脚に変わっていった・・・。
  この日、文久3年9月18日のことである。


                                                 つづく・・・

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